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Date: Tue, 30 Mar 1999 16:50:40 +0900
From: ソード <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 12461] [HA06]:EP: 朝帰り?!
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199903300750.QAA06930@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 12461
99年03月30日:16時50分32秒
Sub:[HA06]:EP:朝帰り?!:
From:ソード
こんばんわ、ソードです。
えーと、司が誤解する話です。
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EP 「朝帰り?!」
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EP−GM:天狼
登場人物:
天方狼介(あまかた・ろうすけ):意志を操るもの
御剣 司(みつるぎ・つかさ) :電操士
八神 敦(やつかみ・あつし) :スチャラカ錬金術師
豊秋竜胆(とよあき・りんどう):仲間を捜してない転生戦士兼吸血鬼
水島 緑(みずしま・みどり) :全身完全戦闘サイボーグ
事件生成者:狼介
謎 :狼介の朝帰りの原因
終了条件 :本当の理由をみなが信じてくれる
被害者 :狼介以外のベーカリーの常連(店長も含む)
昼過ぎ、ベーカリー楠
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SE :からんころん
いつものように、ベーカリーのドアベルが鳴る。一時、壊れて不安定であっ
たが、最近は修理して調子が良い。入ってきたのは、少し疲れた感じの狼介。
狼介 :「わ〜〜っす」
司 :「やあ、天方君」
狼介 :「あ、どもです……(うーん、まだ寝足りないか……)」
ちょっと疲れた様子で、カウンターに向かう狼介、それを見て、コーヒーを
飲みながら司は首をかしげた。
司 :「どうしたんだい?ずいぶん眠そうだけど……」
狼介 :「いや、さっきまで寝てたんです(苦笑)」
司 :「この時間までかい?いいねぇ……学生は」
狼介 :「いや、今朝大阪から帰ってきたんです」
司へ受け答えをしながら、カウンターへ向かう。
狼介 :「あ、店長……ししゃもパンとアイスレモンティーを」
店長がなれた手つきでパンとレモンティーを用意する。既にグラスに飲み物
を注ぐ格好も、板についてきている。
司 :「へえ、大阪から……ここまでだと……どれくらいかかる
:んだい?」
吹利に来て数ヶ月の司は、まだ大阪まで行った事がない。東京へ帰る事はあ
るので、そこまでの時間はわかるのだが……。
狼介 :「快速で大体半時間ほどでした」
司 :「そうか、ここからだとそんなに遠くないんだね。今朝…
:…って事は、泊りだったの?」
狼介 :「まぁ...泊まりって言うか……ずっと起きてましたけ
:ど」
司 :「へえ……徹夜で朝帰りかぁ……」
狼介 :「ええ……」(席に着く)
司 :「(これはこれは)まあ……若いもんね」
狼介 :「若いって言っても、やっぱり睡眠は必要ですよ……」
:(と言いながらあくびをする)
司 :「そうだね。相手が眠らせてくれなかったんだ?」
軽くからかう気持ちで言った言葉。それは、司の予想を越えた答えを導き出
した。
狼介 :「まぁ、それもありますけど……」
平然と答える狼介。これには、司も少し驚いた。一方狼介は相変わらず眠そ
うにパンをほおばっている。
司 :「これはこれは……(最近の……)」
若い者は……と思って、その年寄りじみた考えを打ち消す。司と狼介はほん
の数年しか離れていない。
SE :からんころん
またもやドアベルの音。扉が動けば鳴るようになっているそれは、原始的だが
確実に入店と退店を伝えてくれる。
八神 :「ちーっす」
入って来たのは八神。ベーカリーの常連の一人である。
狼介 :「あ、どもです」
司 :「あ、こんにちは」
狼介 :「……(みゅぅ、まだ眠い………)」
司 :「まあ、それじゃぁ眠くても仕方ないね」
八神 :「む?狼介くんは寝不足か?」
狼介 :「……ちょっと寝ます...」(アイスレモンティーを残
:してうつ伏せになる)
司 :「どうやら、今日の朝こっちについたばかりみたいですよ」
八神 :「ほう、どっか出かけてたの?」
司 :「多分、デートじゃないですか?」
八神 :「なぬ?」
狼介 :「Zzz...」
すぐに、寝息を立て始める狼介。本当に眠っているようだ。
司 :「まあ、『寝かしてくれなかった』とかいってましたから
:(くすっ)」
八神 :「くわぁ、参ったねこりゃ(苦笑)」
司 :「これが昼間じゃなかったら、酒のつまみにするんですが
:ねぇ(にやり)」
いきなり、後ろを振り向いく司。そこにはテーブルしかない……様に見えた。。
司 :「どう思いますか?豊秋さん」
竜胆 :「大胆だぁ……( ̄▽ ̄;;)」
司 :「あれだけ疲れてる彼って、珍しいですよね?」
八神 :「おや、りん姉いつのまに」
司 :「さっきから今したよ。静かでしたけど」
竜胆 :「机の下に隠れてたんだよ( ̄▽ ̄) しかし……すげぇ」
司 :「彼女ができたってのも知らなかったけど、泊りとはねぇ」
八神 :「しかも『寝かしてくれなかった』だろ?」
狼介 :「Zzz....」
本人をよそに発展する話を耳にしながらも、気にせずに眠る狼介。普通の人
間は、寝ている最中の音を意識する事は出来ない。
竜胆 :「ちゃ〜(><) あてつけがましく寝てるし!」
八神 :「やってられねーなぁ、こりゃ」
と言いながら狼介のレモンティーを飲む八神。腹いせのつもりだろうが、や
る事は小さい。
司 :「しかし、どんな女性なんでしょうね?」
竜胆 :「うーん…結構エッチな女の子だろうねぇ……( ̄▽ ̄;;)」
司 :「たまに漫画やアニメでありますけど……そういうものな
:んですか?」
思わず女性である竜胆に意見を求める司。他意は無い……多分。
竜胆 :「な、なんであたしに聞くかなあ(汗)そりゃまあ、たまに
:は……そーいう話も、友達から聞いたりするけどさぁ(汗)」
しどろもどろに答える竜胆。
司 :「いや……他に女性がこの中にいませんから……」
いまだに質問した事の重大性が見えていない司。
竜胆 :「セクハラだよー(><)」
司 :「あ……すみません……」
今ごろ気づいて、謝っても遅いのである。
竜胆 :「……たまには……そーいう子もいる……らしいよ(汗)」
SE :からころん
3度目のドアベル。
緑 :「こんにちは〜」
司 :「あ……こんにちは」
八神 :「よー」
狼介 :「Zzz....」
常連の一人。いつもの挨拶が交わされる。狼介は、寝息で挨拶している。
竜胆 :「(ほっ)緑ちゃーん、こっちおいでー」
緑 :「あ、はーい」
竜胆の思惑ある呼びかけに、素直に答えてよって行く緑。
司は、ひくっと頬を引き攣らせた。
司 :「……コーヒーもういっぱいもらってこよう……店長さん、
:コーヒーを二つ……」
コーヒーを両手に持ち、竜胆のところへ歩いて行く司。
司:「豊秋さん……これ……おごりです」(こーひーを差し出す)
竜胆:「ありがとー(⌒▽⌒)」
他意があるコーヒーをそのままの素直な笑顔で返す竜胆。
竜胆 :「ところでさ、緑ちゃんは、寝かせない方?」
こそこそと緑に耳打ちする竜胆。
(動きが止まる)
司 :「ひくっ(口止め料は効かないのか?)」
そんな司をよそに、女性二人の話は進む。
緑 :「ね、寝かせないって……なにがですか?(ぼそっ)」
竜胆 :「いやその……」(緑を連れて隅っこでこそこそ)
緑 :「な、なんだろう……」(引っ張られていく)
竜胆 :「実はねぇ(ごにょごにょ)」
狼介 :「Zzz...」
部屋の隅で狼介に目をむけながら話す二人。当の狼介は、まだ周りで起こっ
ていることに気付いていない。
緑 :「ふむふむ……う゛(汗)」
竜胆 :「で、どうなのかなあって思ってさ……」
司 :「(彼女は……どうなんだろう……って想像するな!司!)」
隅でこそこそと話している司を眺めながら、突如沸いてきた想像を慌ててか
き消す司。頭を左右に強く振って邪念を追い出そうとする。
司 :「……目が回ってきた……」
当たり前である。能が揺さぶられているのだから。
八神 :「店長コーヒー1つ、狼介君のつけでね(にや)」
この無茶な注文を、涼しい顔で受ける店長。彼も黙って客の話を聞いている。
緑 :「うー、私は……寝かされる方かも(ぼそっ)」
竜胆 :「おぉ〜」
緑 :「気がつくといつも朝なんです……(ぼそっ)」
竜胆 :「おぉ〜……同志ミドリニコフ(握手)」
緑 :「はぁ、でも翡翠は……寝かさないらしいんですが(汗)」
翡翠とは、緑の別人格である。簡単に説明すると、緑の普段押さえられてい
る感情が表に出てくるらしい。
八神 :「さっきから何やってるの?」
司 :「いや……別に……はぁ〜」
妄想を振り払う事には成功したが、精神力を以上に使用した。明らかに疲れ
ている。
狼介 :「Zzz....ふみゅぅ……」
司 :「あ……起きた」
狼介 :「ん、皆さんどうかしたのですか?」
おきて、注目されている自分に気がつく。そこに、にこやかな(邪な)笑み
をうかべて、八神が話し掛ける。
八神 :「昨日は大変だったみたいだねぇ(笑)」
狼介 :「ええ、本当に疲れました」
レモンティーで口を湿らす狼介。量が減っているのには気づいていないよう
だ。
八神 :「んー、若いってことは良いねぇ」
緑 :「……(^^;」
竜胆 :「(どきどき)」
狼介 :「本当は終電で帰って来るつもりだったんですけどね
:(苦笑)」
司 :「……」(八神をひじで突つく)
固唾を飲んで見守る3人。八神をひじで突つき、先を促す司。
八神 :「彼女が離してくれなかったと」
竜胆 :「(どきどき)」
緑 :「(どきどき)」
司 :「(どきどき)」
狼介 :(飲みかけていたレモンティーを吹き出す)
八神 :「うわっ、なにすんだ」
狼介 :「あ..す、すみません………」
緑 :「あう、汚い……」
司 :「?、どうしたんだい?」
竜胆 :「……図星なのかな……(どきどき)」
狼介 :「いや、急に変なことを言われたので……(苦笑)」
八神 :「またまた〜とぼけちゃって(うりうり)」
狼介 :「???」
八神 :「朝帰りだったんだろ?司に聞いたよ」
司 :「……だよね?」
狼介 :「えぇ、昨日は大阪で徹夜でカラオケしてたので.....」
八神 :「はぁ?」
竜胆 :「BOXで……(どきどき)」
緑 :「え、そんな(赤面)」
司 :「……」(想像中)
狼介 :「だから、昨日はネットでいつも行ってるサークルのオフ
:会だったんです。」
司 :「え゛……?」
彼の頭の中が、真っ白になる。
司 :「ぢゃあ……ねむせてもらえないってのは?」
狼介 :「一応昼からだったんですけど、次の日暇なメンバーだけ
:で徹カラしてたんです。寝ようとすると歌えっていわれて
:……」
司 :「かのじょ……は?」
竜胆 :「……?」
狼介 :「え?彼女?私、いませんよ。」
司 :「……………………」(白く燃え尽きる)
八神 :「えーっと」
狼介 :「あのー、私が寝ている間に何があったんですか?」
竜胆 :「なんか話がおかしくなってない?」
緑 :「なってるようですねぇ」
狼介 :「???」
司 :「………………」
八神 :(司に)「それはつまりお前とりん姉の勘違いということ
:かな?」
司 :「……ええ……どうやらそのようですね……」
ようやく、全員が現状を理解する。ほんの些細なすれ違いからの、大きな誤
解。そう書くと格好良いが、唯の勘違い、早とちりである。
店の中に、一陣の風が吹きすさぶのを狼介以外の全員が感じた。
八神 :(司の肩をたたいて)「今日のここの勘定、君払いに決定
:ね」
司 :「とほほほ……」
彼の提案に、誰もが納得したのである。
************************
こんな所で……。
いやはや、難しいものですねぇ……。
本体が疲れた……。