[KATARIBE 12423] Re: HA06:EP  「明けない、夜」続き

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Date: Sat, 27 Mar 1999 14:37:53 +0900
From: NaoNami<ikegami@kt.rim.or.jp>
Subject: [KATARIBE 12423] Re: HA06:EP  「明けない、夜」続き
To: kataribe-ml@trpg.net
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なおなみっす

>ゆっくり体調がおかしくなっていく様子を書いてもよかったのですが、次に書き込める
>のが来週の月曜だったりするので、思い切って病状をかなり進めた状態で来店していた
>だきました。
>というわけで、ここまでの経過については自由に書いていただけるとありがたいです。
>(書き込みがなければ、来週こちらで書きます)

とりあえず、ゆっくり体調がおかしくなる辺りいきまーす!
そのころの松蔭堂の後に入ります。

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> 花澄		:「風かしら?」
 
> いつのまにか日は落ち、夕闇が松蔭堂に忍び寄りつつあった。

 ○疑心
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視界がぼうっとしている。

 直紀     :「いま…何時」

頭がまだ寝ているのか手は時計に側をすり抜ける。
何度かつかみ損ねた末、やっと時計を掴むとじーーーーーっと凝視する。
くしゃ、と頭をかいて枕元に戻す。蛍光塗料が塗られた文字盤は3時を指していた。

 直紀     :「変な時間に起きちゃったな」

ぽふっと枕に顔を埋める。ごろりと布団の中で寝返りをうつ。
もう一度寝直そうかな…とも思ったが、妙に目が覚めてしまった。
やはりいつもより体が重い。朝から寝ているが疲れがとれたような気がしない。
いつもなら一日ごろごろしていれば、夜には治っているのだが。

……ほんとに紘一郎の言ってたように”呪いのビデオ”見ちゃったのかなぁ

                 ・
                 ・
                 ・
                 ・

ぶんぶんっと首を振る。いきなり思いっきり頭を振ったので視界がくらくらする。

だいたい13日以内って…それじゃあなに?
アレ見たのが昨日だからあと12日の命だっていうの??
それにビデオに描かれたような死に方っつったって。

確か…そう、葉ずれみたいな音がしてそれからゆっくり光が動いて……それから?
それから………………あたし、覚えてない。
どくん! と心臓の音が側で聞こえたような気がした。

 直紀     :「………寝よ」

もぞもぞと布団に入る。早鐘のようになる心臓が煩かった。

 ○噂
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翌日
紅雀院大学内 中庭

黒いファイルに目を通しながらミルクパンをゆっくり食べていると、
ぱたぱたと薄黄緑色のセキセイインコが側に降りる。
じいと小鳥を見、手元のパンをちぎってよこす。
おおきめにちぎられたパンを四苦八苦しながら食べている様子をしばらく
眺めていたが、小声で話しかけた。

 紘一郎    :「ねーちゃんは?」
 すー     :「うーーーーん。まだ大丈夫とは言えないけど、うなされながら
        :会社に行ったよ」
 紘一郎    :「うなされて?」
 すー     :「うん。なんか化粧のノリが悪いーとかぶつくさ言ってた」
 紘一郎    :「……そか。まあ熱もないんだからそうそう休んでも居られないだろ。
        :そろそろ忙しくなるはずだし」
 すー     :「そうそう、この時期になると部屋が尋常じゃなく荒れるんだよね」

昨年の惨事思いだし、はぁ、と鳥の姿のまま溜息をつくと紘一郎の手元をのぞき見る。

 すー     :「ねえ、こうちゃん。それどうなった?」
 紘一郎    :「ああ。情報は入って来るんだけどな。どうも…これと言った
        :進展はないな」

ぱらと、ファイルを開くとページを捲っていく。
”呪いのビデオ”タイトルの後の記述がひとりでにどんどん書き込まれてゆく。

 すー     :「ほんとだ。だいぶ長くなってるね。あれ?この記述さっきも
        :あったよ?あ、これも」
 紘一郎    :「どうもな情報がループしてるようなんだ。噂というものは人から
        :人へ伝達されるものだからな、少しくらい尾鰭がつくはずなんだが
        :今回に限ってパターンはいくつかあるとしてその一つ一つがここま
        :で正確に伝わっているし、第一の噂からの関連事項が上がってこない
        :というのは」
 すー     :「変…だよね。……ね、こうちゃん。ほんとに、ほんとに直ちゃん
        :呪いのビデオ見ちゃったのかな」
 紘一郎    :「今のところ何とも言えないな。ただ疲れていただけなのかも
        :しれんし」

グリーンハイツ吹利
直紀宅

 直紀     :「およ、紘一郎にすーちゃん。連日続いて来るなんて珍しいね」
 紘一郎    :「少しはマシみたいだな」
 すー     :「大丈夫?あんまり無理しちゃだめだよー」
 直紀     :「だぁいじょうぶよっ(笑)ちゃんと会社にも行ったしさー」
 すー     :「でも、あれ?直ちゃん、肌荒れてるよ。ここ」
 直紀     :「へっ?うぁ、ほんとだ。やだなぁ、疲れジワができてるーー」

すーが指したところを見てみると、たしかにうっすらと細い線が入っている。
肌もいつもより幾分くすみぎみだ。

 直紀     :「ううう。何はともあれ、ぱっつんぱっつんの肌が自慢だったのに」
 すー     :「何はともあれって(^^;」
 紘一郎    :「まあその唯一の自慢も脆くも崩れ去ったわけだ。…って目の下
        :シートをしながら怒るな、笑えるぞ」
 直紀     :「ぷうううう。でっ、ただ様子見に来たってワケじゃないでしょ」
 紘一郎    :「ああ、そうそう。昨日言った”呪いのビデオ”のことなんだが
        :情報が停滞してるんで、実際動くことにした。幸い被験者がここにいるし」
 直紀     :「ちっとも幸いじゃないやいっ!ひどいよう、紘一郎がいぢめるよう」
 すー     :「こうちゃん、からかってる場合じゃないでしょ!」
 紘一郎    :「今のところ『13日以内に死ぬらしい』という噂は記入されてるが、
        :『ビデオが元で死んだ』と言う噂は流れてないから安心しろ。んでだ
        :今どんな感じ?」
 直紀     :「……………機嫌悪い(ぶすーーーー)」
 紘一郎    :「ふんふん……機嫌悪し、と(書き書き)」 
 すー     :「(はぁ)んじゃ、直ちゃん。あたし達そろそろ帰るねえ。明日は
        :休みだからって出歩いちゃだめよう」

ひょいっと紘一郎の首根っこを掴むと、玄関までずるずる引きずる。
がちゃんとドアを閉めると、夜風が二人の髪を撫でた。

 すー     :「どう思う?直ちゃんの様子」
 紘一郎    :「ただ単に疲れてるって雰囲気じゃないな。本当にビデオが関係している
        :とするなら余り表立った動きは出来ないな」
 すー     :「そうだね。ビデオが呪いの類なら、こうちゃんの能力で増幅するかも
        :しれないもんね」
 紘一郎    :「一さん辺りに相談するのが良いかもしれないな。本職だし」    
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とりあえず、ここまで。
この時点で直紀はビデオを見て2日経ってることになります。



                        なおなみでしたっ!
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               e-mail  : ikegami@kt.rim.or.jp
                                :suigen@geocities.co.jp<ぽすぺ始めました☆>

               −新刊情報之巻 出張版−(笑)
               03月01日:ぷろじぇくと「極東一二華仙」始動
               URL:http://www.kt.rim.or.jp/~ikegami/ 
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