[KATARIBE 12353] 西生駒小話

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Date: Sun, 21 Mar 1999 00:09:03 +0900
From: edamatsu <edamatsu@gold.ocn.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 12353] 西生駒小話
To: "語り部ML" <kataribe-ml@trpg.net>
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お忙しい所すみません。
楠です。

楠です。

久々に西生駒高校のエピソードを書いてみましたので

**********
西生駒高校用務員室前

兪児    :「(ドアをノック)」

反応無し

兪児    :「(再度ドアをノック)」
        :『はいはい』

がらがら。
出てきたのはいつもと違う顔。

圭一    :「なにか?」
兪児    :「……鶴原さんはいますか」
圭一    :「鶴原ぁ?いないけど」
兪児    :「そうですか」
圭一    :「……あんた誰」
兪児    :「……あなたこそ誰ですか」
圭一    :「俺は、鶴原の代理で高鷲てんだけど。あいつが休みの間
        :ここに詰める事になってんの」
兪児    :「そうですか」
圭一    :「んで。なんか用か」
兪児    :「いえ別に」
圭一    :「そうか。じゃあな」

ドアを閉める圭一。
取り残された格好の兪児。
再び開くドア。

圭一    :「あのさあ、ちょっといいか。今暇か?」
兪児    :「別に暇じゃないんですが」
圭一    :「ガッコ終わってからこんなとこにくるんだから、ちっとは
        :時間あんだろ」
兪児    :「……(むか)」
圭一    :「と、別に変なことしねーよ。誤解すんなよ。聞きたい事があって」

兪児    :「なんですか」
圭一    :「鶴原が、ここに『ゆーじ』とかいう1年の生徒が来るって言って
        :たんだけど全然来る気配ねーからさ」
兪児    :「ゆーじ?」
圭一    :「あんた、1年だろ。ここに出入りしてる奴でそんな名前のやつ
        :知らないか?」
兪児    :「知りません」
圭一    :「名字が、ええと……『みなかわ』か『せがわ』なんだけどさ」
兪児    :「はあ」
圭一    :「ココロアタリないか?」

みなかわ
    せがわ
        ゆーじ

兪児    :「もしかして水無瀬川じゃないですか?」
圭一    :「みなせがわ。あぁ、そうそうそれそれ。その名字で1年の
        :『ゆーじ』ってヤロー」
兪児    :「水無瀬川は私ですけど」
圭一    :「でもあんたは女の子だろ。『ゆーじ』は男の名前だぜ」
兪児    :「ゆーじじゃなくてゆじです。多分」
圭一    :「……みなせがわゆじ。変わった名前のヤローだ」
兪児    :「ヤローじゃなくて女です」
圭一    :「あ、そぉ……て、知ってんじゃねーか」
兪児    :「わからなかっただけです」
圭一    :「なんか……かっわいくね〜……」
兪児    :「なにか?」
圭一    :「なんでも。んで、そのみなせがわゆじって女の子、どこに
        :いるか知らないか?」
兪児    :「さっき言いましたよ」
圭一    :「なにを」
兪児    :「みなせがわゆじは、私ですが」
圭一    :「…………」
兪児    :「私になにか用ですか」
圭一    :「あ、あぁ。鶴原からこれ預かってる。持っていきな」
兪児    :「そうですか。どうも」

白い封筒の中に、映画館の招待券が数枚と一筆箋。

宗一    :『進級おめでとう。よろしければお使い下さい』

圭一    :「なあ、なにが入ってんだ?」
兪児    :「プライベートです」
圭一    :「あぁ、そうかよ」
兪児    :「どうも、お邪魔しました」

一礼して去っていく兪児。
なにか納得行かない様子の圭一。
後ろ姿に向かって小さく一言。

圭一    :「なんだよあれはよお……かっっっわいくねえええ〜〜」
**********

以上です。
終業式後の一幕というところですね。

では。

楠でした
edamatsu@gold.ocn.ne.jp
    

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