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Date: Sun, 21 Mar 1999 00:09:03 +0900
From: edamatsu <edamatsu@gold.ocn.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 12353] 西生駒小話
To: "語り部ML" <kataribe-ml@trpg.net>
Message-Id: <36F3BA0F.84BE3EC1@gold.ocn.ne.jp>
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お忙しい所すみません。
楠です。
楠です。
久々に西生駒高校のエピソードを書いてみましたので
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西生駒高校用務員室前
兪児 :「(ドアをノック)」
反応無し
兪児 :「(再度ドアをノック)」
:『はいはい』
がらがら。
出てきたのはいつもと違う顔。
圭一 :「なにか?」
兪児 :「……鶴原さんはいますか」
圭一 :「鶴原ぁ?いないけど」
兪児 :「そうですか」
圭一 :「……あんた誰」
兪児 :「……あなたこそ誰ですか」
圭一 :「俺は、鶴原の代理で高鷲てんだけど。あいつが休みの間
:ここに詰める事になってんの」
兪児 :「そうですか」
圭一 :「んで。なんか用か」
兪児 :「いえ別に」
圭一 :「そうか。じゃあな」
ドアを閉める圭一。
取り残された格好の兪児。
再び開くドア。
圭一 :「あのさあ、ちょっといいか。今暇か?」
兪児 :「別に暇じゃないんですが」
圭一 :「ガッコ終わってからこんなとこにくるんだから、ちっとは
:時間あんだろ」
兪児 :「……(むか)」
圭一 :「と、別に変なことしねーよ。誤解すんなよ。聞きたい事があって」
兪児 :「なんですか」
圭一 :「鶴原が、ここに『ゆーじ』とかいう1年の生徒が来るって言って
:たんだけど全然来る気配ねーからさ」
兪児 :「ゆーじ?」
圭一 :「あんた、1年だろ。ここに出入りしてる奴でそんな名前のやつ
:知らないか?」
兪児 :「知りません」
圭一 :「名字が、ええと……『みなかわ』か『せがわ』なんだけどさ」
兪児 :「はあ」
圭一 :「ココロアタリないか?」
みなかわ
せがわ
ゆーじ
兪児 :「もしかして水無瀬川じゃないですか?」
圭一 :「みなせがわ。あぁ、そうそうそれそれ。その名字で1年の
:『ゆーじ』ってヤロー」
兪児 :「水無瀬川は私ですけど」
圭一 :「でもあんたは女の子だろ。『ゆーじ』は男の名前だぜ」
兪児 :「ゆーじじゃなくてゆじです。多分」
圭一 :「……みなせがわゆじ。変わった名前のヤローだ」
兪児 :「ヤローじゃなくて女です」
圭一 :「あ、そぉ……て、知ってんじゃねーか」
兪児 :「わからなかっただけです」
圭一 :「なんか……かっわいくね〜……」
兪児 :「なにか?」
圭一 :「なんでも。んで、そのみなせがわゆじって女の子、どこに
:いるか知らないか?」
兪児 :「さっき言いましたよ」
圭一 :「なにを」
兪児 :「みなせがわゆじは、私ですが」
圭一 :「…………」
兪児 :「私になにか用ですか」
圭一 :「あ、あぁ。鶴原からこれ預かってる。持っていきな」
兪児 :「そうですか。どうも」
白い封筒の中に、映画館の招待券が数枚と一筆箋。
宗一 :『進級おめでとう。よろしければお使い下さい』
圭一 :「なあ、なにが入ってんだ?」
兪児 :「プライベートです」
圭一 :「あぁ、そうかよ」
兪児 :「どうも、お邪魔しました」
一礼して去っていく兪児。
なにか納得行かない様子の圭一。
後ろ姿に向かって小さく一言。
圭一 :「なんだよあれはよお……かっっっわいくねえええ〜〜」
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以上です。
終業式後の一幕というところですね。
では。
楠でした
edamatsu@gold.ocn.ne.jp