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Date: Tue, 9 Mar 1999 17:23:34 +0900
From: "E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 12194] HA06:EP: 「戻り雪」
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199903090825.RAA05495@www.mahoroba.ne.jp>
Posted: Tue, 9 Mar 1999 17:25:31 +0900
X-Mail-Count: 12194
99年03月09日:17時25分24秒
Sub:HA06:EP:「戻り雪」:
From:E.R
こんにちは、E.Rです。
毎度おなじみ、速攻進行形EP(なんじゃそりゃ)
いあ、今、雪が降ってまして。
そんで、雪と言えばこの人かな、と……
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EP 「戻り雪」
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春分もだんだんと近づきつつある……割に寒い、雨の降る某日。
ベーカリー楠。
SE :からんころん☆
観楠 :「あ、花澄さんいらっしゃい(笑)」
花澄 :「こんにちは(にこにこ)」
平日、午後を半分まわった頃。
本屋もひまなのだろうが、パン屋もまだそれほど混んではいない。
テーブルの一つに、二人座っているのみである。
花澄 :「あ、こんにちは、一さん」
一 :「こんにちは」
花澄 :「何だかお久しぶりです」
一 :「はあ、ちょっと研究でフィールドに出てまして」
花澄 :「キノトくんも?」
キノト :「僕は学校がありますから(笑)」
花澄は改めて時計を見る。
確かに、小学校が終わったくらいの時間である。
目を転じると…………
花澄 :「…………直紀さんに言いつけようかしら(ぼそっ)」
一 :「って……(汗)……いや、直紀さんも、良く知ってると思いますが」
花澄 :「そういう問題ですか?」
一 :「……いえ」
花澄 :「キノトくんまでパンの耳じゃ、可哀想ですよ」
キノト :「……(無言で深深と頷いている)」
テーブルの上には、ココアが二杯。
その間に、パンの耳が一袋。
観楠 :「で、花澄さん、御注文は?(笑)」
花澄 :「あ、済みません。ユラさん印のお茶と……キノトくん、どれ食べたい?」
キノト :「え?え、いいですっ、あのっ(汗)」
花澄 :「じゃあ……クリームパンでいい?」
キノト :「……はあ(汗)」
花澄 :「じゃ……クリームパン三つと、チョココロネ下さい」
観楠 :「はい(笑)」
紅茶とパンがやってくる。
クリームパンを一つ取ると、花澄は後をテーブルの向こうに押しやる。
一 :「……あの?(汗)」
花澄 :「どうぞ」
一 :「いやあのですね」
花澄 :「どうぞ(にっこりにこにこ)」
一 :「………………頂きます」
所詮、天敵には勝てないものと見える。
暫し、三人黙々と食べていたものだが……
すう、と、風が滑った。
花澄 :「……あらら(汗)」
観楠 :「おや、雪だ」
先程までの雨が、雪に変わっている。
道を行く人たちが、足早になる。
観楠 :「暖かいから気がつかなかった(汗)」
一 :「……そうですね(汗)」
暖かさの原因は、ひとつ首を傾げた。そのまま微かに口元を動かしていたが、やがて。
花澄 :「…………ふうん……」
キノト :「?」
花澄 :「一さん……惚れ込まれてますね(笑)」
一 :「へ?」
花澄 :「雪に(笑)」
一 :「あ゛?」
花澄 :「ずうっと探して……降るときを待ってたみたい、です(笑)」
一 :「……(苦笑)」
重い花弁のような雪は、段々細かくなり、それと同時に段々激しく降り出している。
積もるかも……しれない。
花澄 :「悪女の深情け、って言ったら怒られるでしょうか?(笑)」
一 :「悪女……に、なるのかなあ(苦笑)」
そのまま暫く、窓の外を見る。
悪女だかどうだかはともかく……雪はだんだん降り積もる。
花澄 :「雪女が袖振ってるみたい(笑)」
観楠 :「……(笑)……あ」
SE :からんころんっ☆
かなみ :「父さま、雪なのっ!」
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で、落とす。
うん。雪に惚れられるっつったら一さんでしょう(笑)
ではでは。