[KATARIBE 12179] Ep: 「狭間より来たりし者」第一話

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Date: Mon, 8 Mar 1999 22:40:52 +0900
From: Wings <wings@trpg.net>
Subject: [KATARIBE 12179] Ep: 「狭間より来たりし者」第一話
To: 語り部ML <kataribe-ml@trpg.net>
Message-Id: <36E3D4E5.518F7975@trpg.net>
Posted: Mon, 08 Mar 1999 22:47:18 +0900
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どうも、Wingsです。
圭人たちが初登場するEPを書いてみました。

タイトルは思わせぶりですが、大した意味はないです。
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EP「狭間より来たりし者」第一話 「始まり」
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某月某日、21:00、吹利市民公園広場。

広場の中央に一人の男が立っている。
フード付きの黒いマントを頭からかぶっているので顔はよく見えない。
そして、彼の目の前には五紡星の魔法陣と、何本かのろうそく。
・・・・・あやしい。
周りに人がいたら石でも投げられそうな格好だが、あいにく周りには誰もいな
い。

そして、彼はぶつぶつと呪文のような者を口ずさんでいる。

男:「くっくっく・・・。いよいよだ・・・。いよいよわが野望が現実の物とな
る・・・」

そして、彼は両手を高くあげ、高らかに叫んだ。

男:「さあ、きたれ悪魔よ!そして我が願いを叶えるのだ!」

・・・もはやステロタイプ過ぎてつっこみを入れる気にもならない。
が、それから起こったことはステロではなかった。

男:「はっはっは・・・ん?」

魔法陣の中心に何かがあらわれていく。
が、その姿はどう見ても悪魔には見えない。
そう・・・悪魔ではなく、犬のように。

男:「どういうことだ・・・?文献の記述と違うぞ・・・?」

首を傾げる男。が、考えている暇があるなら逃げるべきだっただろう。
なぜなら・・・・・。

男:「え?」

・・・・・その犬が飛びかかってきたからである。

男:「う・・・うぎゃああああ!!」

男の断末魔が公園に響いた。
・・・・・合掌。
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同日、同時刻、吹利市内某ゲームセンター。

筐体:「ギャーンブラーゼーット!!」
SE:ジャジャンジャジャンジャジャンジャジャーン、ジャンジャカジャン!
圭人:「ふう、何とかクリアできたな。・・・あ、ランキングは無理か。さて次
はっと・・・」

・・・おーい・・・。中学生は6時までだぞー・・・。

圭人:「えーっと・・・。あ、パワーストーンがある。やってくか」

・・・聞いちゃいねえな。

SE:ぐおおおおおおおおおん

圭人:「ぬおわっ!」

ほら、罰が当たった。
・・・あ、ちがうか。

圭人:「こ、この脳に直接響く呼び出し音は・・・。・・・時田だな、いい所な
のに・・・」

そういいつつ、よろよろと物陰に歩いていく。
そして、ゲームセンターの端まで行くと、座り込み、目をつぶった。

圭人:「おい、何の用だよ、こんな時間に」
時田:「何の用とはご挨拶だな。せっかく仕事をやろうというのに」

心の中に声が響く。声の主は、「十二月」第八部隊「葉月」リーダー、時田格
(ときたいたる)だ。

圭人:「仕事お?おい、こんな時間にどんな仕事があるってゆーんだよ」
時田:「たった今、霊力の乱れを関知した」
圭人:「・・・・・・・・・・」
時田:「場所は、吹利市民公園の中心部。詳しいことは不明だが、この乱れかた
からして・・・・・召還だ」
圭人:「召還かよ・・・・・。ランクは?」
時田:「下級2位か1位、といったところだな。このランクならおまえ一人で何
とかなるな?」
圭人:「当たり前だ・・・・・ってちょっと待て。俺一人なのか?相原と池田は
どうしたんだよ」

相原と池田は、ともに「葉月」のメンバーである。ふつうなら彼らも来るはずな
のだが・・・。

時田:「相原は有給休暇を取って明日まで休みだ。池田は・・・」
圭人:「池田は?」
時田:「・・・さっき精神波を送ったが、届かなかった。結界でもはってるんだ
ろう」
圭人:「・・・あのくそ女・・・。また『夜更かしは美容の敵よ』とか言いなが
ら寝てやがるな・・・。
    総会であんだけ言われたってゆーのに・・・」
時田:「・・・ともかく、今移動できるのはおまえだけだ。とっとと行け」
圭人:「はいはい・・・・・今回の分、給金に上乗せされるか?」
時田:「さあな」
圭人:「うー・・・」

SE:ぷちっ

時田の声が聞こえなくなった。精神の接続を切ったらしい。

圭人:「やれやれ・・・。さてと、おい、クロト、聞いてたか?」
クロト:「はい」

今度は女性の声が響く。彼の持つ魔道書、クロトである。

クロト:「吹利市民公園、でしたね。」 
圭人:「ああ、今からすぐに跳ぶ。あ、それから、京に連絡いれといてくれ」
クロト:「はい」

圭人は、ゲームセンターの外に出ると、すぐ近くの路地に入った。
そして、誰も見ている者がいないことを確認すると

圭人:「古きギリシャの神々よ・・・」

指を空中に滑らせた。そこから、光り輝く文字・・・紋章が紡ぎ出されていく。

圭人:「ゼウスとマイアの子にして十二神が一人、彼の者の力紡ぎて、今、ここ
に示さん」

紋章が光り輝き、圭人を包み込んでいく。

圭人:「我を遠き彼方へと誘え・・・ヘルメス」

紋章が、強く光り輝く。そして、その光が消えたとき、彼はもうそこにはいなか
った。

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ここで切ります。

なんか、キャラシーをあげてない時田がかなり目立っちゃってますね。
・・・まあ、いいや。

紋章魔術の詳しい使い方についてですが、正統な方法は、劇中で圭人が使ってい
た者です。
ただ、これだとあまりにも使い勝手が悪いので、急ぐときなどは、
あらかじめ何かに紋章を刻んでおき、それを媒体にして起動する、という方法を
使います。

但し、この方法だと、神の加護が通常より薄くなってしまうため、やや威力が落
ちます。
また、マジックアイテムを作るわけではないので、
紋章魔術を使う人間にしか起動することはできません。
マジックアイテムを作るには、祈りを込めながら物に紋章を刻み、
その上で神の祝福を受けさせる必要があります。
この作業には数時間かかります。

今回のエピソード、乱入大歓迎です。
具体的には
1 ゲームセンターで圭人を見かける。
2 たまたま公園に通りかかる。
3 霊力の乱れを感知して、公園に駆けつける。
といった方法があるでしょう。

ちなみに、このエピソード、後半でばっちり戦闘が入るので、
ある程度戦闘ができる人の方がいいかと。

それでは・・・Wingsでした。


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              「黄の八弦琴」
             伝説こそ語るべし。
               なぜなら、
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