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Date: Mon, 8 Mar 1999 14:12:09 +0900
From: ごんべ <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 12168] [HA06][EP] さがしものはなんですか ( 仮)
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199903080514.OAA13322@www.mahoroba.ne.jp>
Posted: Mon, 8 Mar 1999 14:14:23 +0900
X-Mail-Count: 12168
99年03月08日:14時14分21秒
Sub:[HA06][EP] さがしものはなんですか(仮):
From:ごんべ
ごんべです。
瑞鶴初訪問をすべく、久々に自分で書いてみました。
タイトルは、もうどれかのEPで使われているかも知れませんが、とりあえず
これで書いてみました。(^_^; (すみません、調べてないんです。)
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HA06:EP さがしものはなんですか
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祐司 :「……ない」
吹利大学通りのとある古本屋に入っていた堀川祐司は、やがてがっくりと肩
を落として店を出てきた。
吹利の古代王朝史・豪族史を研究していると、どうしてもある戦前の文献の
名前に行き当たる。しかしその本、どこを探しても出てこないのだ。
既に週末に奈良市内の古本屋という古本屋を調べてみたが、見つからなかっ
た。(もっとも、元々奈良市内に古本屋は多くはないのだが) そして今日も、
吹利の大学通りにおいて既に数軒を「はしご」している。
祐司 :「大学(※紅雀院大学)の図書館にもあれへんだしなぁ。
:大学通りやったら、と思ったけど……望み薄かな……」
駅に向かいとぼとぼと歩いていた祐司は、ふと目に入った落ち着いた風情の
本屋に思わず吸い込まれていた。ここならあるかも、との一縷の望みを抱いて。
その名は、「瑞鶴」。
SE :からからから
花澄 :「いらっしゃいませ」
ふ、と歩を進めようとした祐司の足の前には、一匹の猫。
祐司 :「……通しておくれでないかね」
瑞鶴の猫 :(ちらりと見上げて)
:「…………(言葉遣いがなってないけど、礼儀はわきまえ
:ているようだね)」(すい、と立ち上がる)
花澄は、入ってきた客が、棚の一つの前に釘付けになったのに気付いて顔を
上げた。歴史書の並ぶ一角をのぞき込む男は、まるでなめるように視線を動か
している、というか、並んだ本の **背表紙たちをまさに熟読** していた。
花澄 :「(苦笑)……何かお探しですか?」
祐司 :「あ、すみません……戦前の本なんですが、扱っておられ
:ますか?」
花澄 :「えーと……物にもよると思いますけど、どのような?」
祐司 :「日本の古代史の論文本なんですが……吹利が題材なんで
:郷土史かも知れませんが、昭和12年の本で、山口淵鳴と
:いう著者の『吹利史』という本なんですが」
花澄 :「…………棚に出ていなければないかも知れませんね……
:今日は店長が留守ですので、また聞いて探しておきますけ
:ど?」
祐司 :「そうですか? 是非お願いします」
そう言って一礼して店を出て行った祐司の肩は、花澄が見てわかるほどがっ
くりと下がっていた。目の光も、書棚をにらんでいたときのそれとは比べるべ
くもない。
花澄 :「あるといいんだけど……また来てもらえるかしら」
で、翌日。その客は再び来た。
SE :からからから
花澄 :「いらっしゃいませ……あ」
祐司 :「こんにちは。
:……ちょっとごめん」>猫
瑞鶴の猫 :「なう(勝手におし)」
祐司 :「昨日お聞きした本なんですが……ありましたか?」
花澄 :「それが……もう少し探してみますね」
祐司 :「そうですか……」
……と、急に祐司の目が一点に引き寄せられる。
その目の光の変化に花澄が驚いていることにも、もはや気づいていない。
祐司 :「こっこれは……『ローティス・ナージャ』の単行本、
:しかも新刊! こんなところで、今頃……
:(花澄に)あの、これは売り物ですよね?!」
花澄 :「(……あんな漫画、仕入れたかしら?)
:はい、もちろん」
祐司 :「あ、じゃあ、これ下さい!」
花澄 :「……はぁ」
どうも彼の場合、本当の意中の本が湧くようになるまでには、相当の時間が
かかりそうである。
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これで落ちます。
いー・あーるさんに質問です。
祐司は、何回目くらいで「意中の本」がわいてくれるでしょうか?(^_^;
どうも複数の興味対象があって目移りしそうなんですよね(笑)。
加筆・修正をお待ちしております。m(_ _)m
それでは。
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ごんべ
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