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Date: Mon, 8 Feb 1999 09:19:36 +0900
From: "E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 11824] Re:HA06:EP 「明けない、夜」
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199902080022.JAA14326@www.mahoroba.ne.jp>
Posted: Mon, 8 Feb 1999 09:22:17 +0900
X-Mail-Count: 11824
99年02月08日:09時22分15秒
Sub:Re:HA06:EP「明けない、夜」:
From:E.R
こんにちは、E.Rです。
金曜日に一行掲示板で走っていた「明けない、夜」へのなだれ込み部分です。
かーなーり、加筆済み。
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○拡大
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次の場面は………泣声から始まったりする。
ぢいいっと、かすかな声。
松蔭堂の玄関にいた花澄は、飛び上がった。
花澄 :「な、何事っ?!」
訪雪 :「……ゆずさん、ですかな?」
ぢい、としか聞き取れない声は、しかし、花澄の耳には悲鳴と聞こえた。
花澄 :「あの今ゆずどこにっ?」
訪雪 :「多分、一君のところに……」
花澄 :「有難うございます、失礼しますっ」
一息で二つの挨拶をしてのけると、ぱたぱたと一氏の部屋へと向かい……
前野 :「あ、こんに……どうしました?(汗)」
花澄 :「え、今あの、ゆずの声が……」
ぢいいいいっ、と、今度はもっとはっきりした声がした。
前野 :「あ、本当だ」
煖 :「ゆずちゃん、ですね」
その声を背後に聞き流して、はたはたと走って……
花澄 :「ゆず?!」
譲羽 :「ぢいっ(花澄ぃっ!)」
ぴょん、と飛びついてきた少女人形を抱え上げて……で、見たものは。
花澄 :「………(脱力)」
十 :「ん?どした。ゆずちゃん。そんなに怯えて?」
譲羽 :「ぢいいいいいっ(わああああんっ)」
暗い部屋から出てきた……声から察するに一らしい人物は、すっぽりと
ゴジラのマスクを被っている。
花澄 :「気持ちは判らないでもないですけど………前野さんの次は一さん、
:そんなにゆずを脅かさなくても(苦笑)」
前野 :「私は脅かしてないんですけど…(^^; 」
後ろから追いついてきた前野が苦笑する。
十 :「あうあう、冗談だって。はいはい外すから」
脱ぐと今度はガメラマスク。
譲羽 :「……ぢいいいいっ(ひしっ)」
十 :「うむ、これもこわがるか。無理はない」
すぽん、とそれも脱いで。
花澄 :「…………(一体何重になってるの(汗))」
十 :「じゃあ、この埴輪マスクだ。これならタイチやシュイチと一緒」
前野 :「怒りモードになってますよ(汗)」
十 :「へ?ああ、間違えた」
譲羽 :「ぢいいい……(へばりつきっ)」
かくかくと、木粘土製の体が音を立てて震えている。
花澄 :「……一さん?(にこにこにっこり)」
十 :「じゃあ、いいかげんにマスクとりますね。どれどれ、ごしごし。
:はいとれた」
で、とれた後には……お約束通りのっぺらぼう。
譲羽 :「…………ぢい」
譲羽のほうは恐いもんだから、とれた、と言われてもよう見ない(笑)
花澄 :「……見なくて正解(溜息)」
と。
煖 :「あの〜、十さ〜ん(ぱたぱた)」
何時の間に入り込んだのか、一の部屋のほうから煖が声をかける。
十 :「はぁい」
向けられたのっぺらぼうの顔に驚いた様子も見せず、
煖 :「この、“季刊 全国高校生制服専門紙 Boys-B”は、
:どの棚に置きましょうか?(にっこり)」
十 :「……(のっぺらぼうのまま滝汗)」
前野 :「………(^^;)」
十 :「ああ、ちょっとまって、その引き出しをあけるとすごいことが!」
形勢逆転。
それに追い討ちをかけるように。
花澄 :「……そうですか、口がないなら食べられませんよね……
:煖ちゃん、これどうぞ(にっこり)」
手に持っていた箱を差し出して。
花澄 :「ショートケーキの詰め合わせ、ですけど」
煖 :「あ、ありがとうございます(にこにこ)」
十 :「だあああああっ!い、今顔出しますからっ!」
花澄 :「……(苦笑)……はい、どうぞ」
箱を一旦、押し頂くにしてから横の棚の上に置き、ぺりぺりと特殊メイクを
剥がし出す。その音に、ようやく譲羽が頭をもたげた。
十 :「にしてもよくできてるでしょこのマスク。サークルの後輩が
:特撮研で。うちに来たらだれか脅かそうと思ってたんですが」
譲羽 :「……ぢい(恐る恐る)」
前野 :「ゆずちゃん、大丈夫?(苦笑)」
譲羽 :「………ぢい(涙目でこっくり)………ぢいぢいぢいっ
:(一さん、こわかったのっ)」
手をぶんぶん振りまわしての、力説である。
十 :「最初の獲物がゆずちゃんとは思わなかったな。しかし、
:脅かしがいがある。おばけの気持ちわかるなぁ」
譲羽 :「………ぢい(恨みがまし〜)」
苦笑した花澄が、まだぱたぱたと背後で動きまわっている煖に声をかけた。
花澄 :「煖ちゃんも……如何です?ケーキ」
煖 :「この、“愛蔵版ビデオ 青葉”シリーズと、“全国制服美少年
:データベース”の整理が終ってから頂きますわ(にっこり)」
一瞬、取るべき表情を選び損ねた前野と花澄である。
十 :「(事態を認識したらしい)だぁーっ、だから引き出しのなかは
:駄目だって!」
煖 :「はいはい(にこにこ)」
十 :「だいたい、何でまた急に……」
煖 :「あら、キノエちゃんから一さんのお部屋、是非とも掃除して
:貰えないかって、頼まれたんですけれども?」
十 :「何で最初にそう言ってくれなかったんですかぁ?(泣)」
………それどころでは無かったような気がする。
十 :「ああまったく……(引き出しを閉めている)」
煖 :「じゃあ、この封禁してあるビデオボックスの方を…(いそいそ)」
何やらぶつぶつ言いながらあちこちを取り繕いはじめた一を尻目に、
煖は、ビデオボックスを開いた。
十 :「あ、そこのは直紀さんが持ってきてくれたビデオで(汗)」
煖 :「あら?こちらのはタイトルが書かれてませんけど……」
『カンフー・カルトマスター魔王教主』と書かれた方はそのまま、
つい、と、ラベルの無いテープを引っ張り出す。試すすがめつした挙げ句、
近くにあったビデオに突っ込む。
見事な手際である。
SE :(ガショ…きゅるきゅるきゅる…)
花澄 :「………(汗)………あ、あの煖ちゃん、それ……見ていいの?」
煖 :「でも、タイトルくらいは見ないと、ラベルが付けれませんもの」
十 :「って……あああ煖ちゃんっ(滝汗)」
前野 :「……(苦笑)……ん?」
きゅるきゅるきゅる、と、幾分かすれた音は、そのまま、テープの中の
かすかなざわめきと重なっていった。
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てなもんで。
一応、矛盾はないのかな?
ではでは。