[KATARIBE 11481] [HA06] EP: お前、何なんだ?

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Date: Mon, 2 Nov 1998 13:04:12 +0900
From: ICHIKAWA Takuaki <bobu@din.or.jp>
Subject: [KATARIBE 11481] [HA06] EP: お前、何なんだ?
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199811020414.NAA22799@ms1.din.or.jp>
Posted: Mon, 02 Nov 1998 13:14:07 +0900
X-Mail-Count: 11481

ども、BOBUです。

最近はMLよりIRCのほうが活発なような気がする今日このごろ。
皆さんいかがおすごしでしょうか?

ってなわけで。
少し前に書き上げたEPです。


EP :「お前、何なんだ?」
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10月も下旬ともなると、寒い日が続く。
おまけに雨が降っているとなればなおさらである。
というわけで。
なんだか太陽の光を浴びたくなった佐久間は雲の上まで散歩しに来ていた。

佐久間	:「うーん、やっぱり太陽はいいなぁ」

雲の上に寝転がる佐久間。
実際に雲の上に乗れるはずもないので、気分だけではあるが。

佐久間	:「ふぁーあ、なんか眠くなってきたな。一眠りしよっと…」

一時の後……
眠り込んだ佐久間の側に

風籟	:「おい、らい」
雷影	:「なんだい、ふぅ」
風籟	:「こいつ、なんだと思う?」
雷影	:「人間、かな?」
風籟	:「人間ってゆーのは地面を歩くもんだろ」
雷影	:「でも、見た感じは人間だよ」
風籟	:「鳥じゃあるまいし、人間が空飛ぶわけないだろ」
雷影	:「でも、どう見ても鳥じゃないよね」
風籟	:「そりゃま、そうだけどさ」

ひとしきり悩んだあとで

風籟	:「そうだ、こいつに聞いてみれば早いじゃないか。」
雷影	:「え?どうやって?」
風籟	:「起こすんだよ、決まってるだろ」

言うなり、

風籟	:「おきろ〜!」

思いっきり佐久間を蹴飛ばす。

佐久間	:「ん?なんだ?」

目を覚ました佐久間の前に立っていたのは、頭から小さな角を生やした小人さん
の二人組であった。

佐久間	:「……鬼?」
風籟	:「ちがーう!」
佐久間	:「じゃ、何?」
風籟	:「俺様は風神だ」
雷影	:「あの、ぼく、雷神です」
佐久間	:「ほんとに?」
風籟	:「なに〜、信用しないのか?」
佐久間	:「だって、絵で見たのはもっとでかくてごつくて…」
雷影	:「あ、たぶんそれ、ぼく達の父さんです」
佐久間	:「あ、なるほど」

そういえば似てない事も無い。

風籟	:「俺達の事はどうでもいいんだよ。お前だお前」
佐久間	:「?」(自分を指差して)
風籟	:「そう、お前だよ。お前は一体何なんだ?」
佐久間	:「ん〜、たぶん人間」
風籟	:「うそつけ、人間が空飛べるわけないだろ?」
佐久間	:「じゃあ、俺は何なのさ」
風籟	:「わからないから聞いてるんだろぉ!」
雷影	:「ねぇねぇ」
佐久間	:「わからないなら俺の言う事を信用しろよ」
風籟	:「信用も何もあるか。だいたい空飛ぶ人間なんていない!」
雷影	:「ねぇねぇ、ふぅ、ねぇってば」

風籟の服を引っ張る雷影。

風籟	:「あー、もう。うるさいな、なんだよ」
雷影	:「やっぱりこのひと人間だよ」
風籟	:「どうしてわかるんだよ」
雷影	:「だって背中に羽も生えてないしぃ、人間の言葉はなしてるしぃ…
	: きっと、ちょっと変わった人間なんだよ」
風籟	:「そんなのは人間じゃなーい!」
佐久間	:「……(じゃあ俺は何だ?)」
風籟	:「……わかったぞ。きっとお前は自分を人間だと思い込んでる何か
	: なんだ」
佐久間	:「おい」
雷影	:「あ、そっか、そういうことだったのかぁ」
佐久間	:「ちょっと待て」

全く聞いていない風籟。少し考えて、

風籟	:「……よし、決めたぞ」
雷影	:「なにを?」
風籟	:「お前、自分が何か分からないのも困るだろ。俺達がお前の正体を
	: 突き止めてやるよ」
佐久間	:「突き止めるってお前……」
雷影	:「え、僕も?」
佐久間	:(人の話を聞けよ……)
風籟	:「当然じゃないか。いやなのか?」
雷影	:「ううん、そうじゃないけど」
風籟	:「んじゃ、決まりだ」
雷影	:「でも、どうやってしらべるの?」
風籟	:「ん〜……とりあえずこいつの家からだな」
雷影	:「どうして?」
風籟	:「どういう生活してるのか知れば、こいつの正体がわかるかもしれ
	: ないだろ」
雷影	:「なるほど〜」
風籟	:「と、いうわけだ。とりあえずお前の家まで案内しろよ」
佐久間	:「……もう勝手にしてくれ」

そして。

風籟	:「そー言えば名前まだ聞いてなかったな」
佐久間	:「佐久間拓巳だよ」
風籟	:「タクミか。なんか人間みたいな名前だな」
雷影	:「しょうがないよ、今まで自分が人間だって思ってたんだから」
風籟	:「そうだな」
佐久間	:(だから俺は人間だって……)

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これ書いた後に思い出したのですが。

HA06Pd8.txt エピソード「月と酒と白天丸」

をJ扱いにしてくださいませ。

別にJOKEってわけじゃないのですが、どうも設定がまとまらないまま
書いてしまったので白天丸はこの後に出て来る予定がありません。
よろしくお願いします。

それでは。
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BOBU <Takuaki Ichikawa>   ICQ:19775719
E-Mail: bobu@din.or.jp
HOMEPAGE:現在移行作業中…

    

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