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Date: Tue, 20 Oct 1998 11:17:58 +0900
From: Toshiaki Tomita <ge7m684@edu.kansai-u.ac.jp>
Subject: [KATARIBE 11422] [HA06]「前野君はネコミミがお好き?」
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <362BF415104.858CGE7M684@192.168.1.191>
Posted: Tue, 20 Oct 1998 11:23:17 +0900
X-Mail-Count: 11422
というわけで、IRCで前振りしておいたEPです。私見ですが、こうして他の
キャラに余分な特徴をつけていくのも、狭間06の一つの楽しみ方だと思います。
では、どうぞ。
「前野君はネコミミがお好き?」
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11月。今年は夏が短かったため、紅葉があまりきれいではない。おまけに、
関西を大型の台風が何個か襲ったため、散っている葉も多い。だが気候は十
分秋なだけに、秋愁にひたる奴はいるようだ。
ベーカリー店内。窓際のテーブルにて一人、前野は窓の外を見て物思いに
ふけっていた。頼んだミルクティーはもうすでに冷たくなっている。
その時カウンターに座っていた剽夜が、声をかけた。
剽夜 :「つかぬことを聞くが、前野君はロリコンかい?」
前野 :「い、いきなり何ですか。更毬さん」
剽夜 :「いや、ずっと目線が動かなかったのに、女の子と父親
:の親子連れが通ったら、目線が追っていたからな。父親
:とは考えにくいから、妥当な線で聞いてみたんだが」
前野 :「違いますよ。まったく(苦笑)」
剽夜 :「じゃあ、ネコミミが好きなのか?」
前野 :「(ぴきっ)ち、違いますよ」
剽夜 :「顔がひきつっているぞ。それに隠すことでもあるまい。
:(小声で)前野君はネコミミが好きと(かきかき)」
前野 :「メモを取らないでください」
剽夜 :「わかった結果はノートに書き留めるのが、理系の性な
:のだ。許せ」
前野 :「許せません!!」
剽夜 :「もう、すぐ本気になるんだから。もうちょっとおおら
:かに生きようではないか」
前野 :「更毬さんが、神経を逆なでする事をするからじゃない
:ですか!!」
剽夜 :「そうとも言うな」
前野 :「(はぁ〜)どっと疲れましたよ……」
しばらく、沈黙が店内を包む。しばらく、ノートに物を書いていた剽夜は、
何を思い付いたのか、鞄の中から狐のぬいぐるみ(こんこん)を取り出し、
店の角の窓際に置き、また、カウンターに座った。
店外の人達の影が長くなる頃、意地の悪い笑みを浮かべ剽夜は立ち上がっ
た。
剽夜 :「待ち人来るか……。報告ありがとう、こんこん。店長
:ちょっと出てきます」
いつもの重い鞄を下げて、剽夜は店外に出ていった。向こうから目的の人
物が歩いて来るのを発見した。
量子 :「(お腹が空いたけど、小遣いも残ってないしなぁ。ま
:た、前野っちにでもおごってもらおっと)」
剽夜 :「やぁ、量子ちゃん」
量子 :「あっ、剽夜さん」
剽夜 :「ちょっと、手伝って欲しい事があるんだが」
量子 :「なんですか?」
剽夜 :「実は、前野君がネコミミ好きという事が判明してね。
:で、実験したくてな。(ごそごそ)これをつけて、前野
:君におごってくれと頼んでくれないか?」
肩から下げた鞄から、なにごともなかったのように、ネコミミを取り出す
剽夜。
量子 :「(じとっ)どーでもいいですけど、剽夜さんはなんで
:そんなのを持ってたんですか?」
剽夜 :「うむ、こんなこともあろうかとな。大丈夫だ。私が好
:きなのはネコミミではなく、袴だし」
量子 :「(なにが大丈夫なんだか)……、いいですよ」
剽夜 :「ありがとう。今度前野君がいない時にでもおごるわ」
量子 :「いえいえ(にぱっ)(待ってなさいよ、前野っち)」
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というところで、前編終了。後編はまた次に。
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関西大学大学院工学研究科化学工学専攻機能表面工学研究室
(ge7m684@edu.kansai-u.ac.jp) 富田俊明
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