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Date: Sat, 17 Oct 1998 14:42:19 +0900
From: ICHIKAWA Takuaki <bobu@din.or.jp>
Subject: [KATARIBE 11405] [FB] むかしむかし…
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199810170551.OAA07645@ms1.din.or.jp>
Posted: Sat, 17 Oct 1998 14:52:08 +0900
X-Mail-Count: 11405
ども、BOBUです。
ふと思い付いて書いて見ました。
とりあえず、どこかの地方に語り継がれている昔話って感じです。
＃コボルドは犬頭で夜行性…って設定で書いております。
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「グルムとコボルド」
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まだコボルドが人間と同じように、昼間に起きて夜に寝ていた頃のお話。
むかしむかし、一匹のコボルドがグルムの仕事場で働いていました。
ある日の事、グルムはコボルドに言いました。
「儂はこれから出かけるが、その間、この壷を見張っておれ。
３回、日が昇るまでの間、たとえ儂の命令でも決して蓋をあけてはならぬぞ」
さて、悪戯者のサザーンはグルムが出かけるのを見ると、グルムがいない間
に悪戯をしてやろうと仕事場に忍び込みました。
サザーンがグルムの仕事場に入ってみると、コボルドが大きな壷を見張って
いました。
「やぁ」
とサザーンはそのコボルドに話し掛けました。
「一体何が入っているんだい？僕にも見せてくれよ」
コボルドはサザーンを見るとこう言いました。
「駄目だよ。三日の間、この蓋は絶対に開けちゃいけないってグルム様に言わ
れているんだ」
「ちょっとくらいなら大丈夫だよ」
「絶対にだめだよ」
サザーンは何といってもコボルドが蓋を開けようとしないので、
あきらめて仕事場を去りました。
次の日、サザーンはグルムの姿に変身して再び仕事場に入りました。
コボルドは眠い目をこすりつつも壷を見張っていました。
「おかえりなさい、グルム様」
サザーンはグルムの声でコボルドに命じました。
「その蓋を開けてみよ」
「しかしグルム様、まだ１回しか日が昇っていません」
「かまわん、開けてみよ」
「だめです。グルム様」
コボルドは結局蓋を開けませんでした。
サザーンは、ぷりぷり怒って仕事場を去りました。
更に次の日、サザーンは夜になってからグルムの仕事場へ出かけました。
サザーンが窓から中を覗くと、コボルドは壷の上で居眠りをしていました。
サザーンはグルムの仕事場の周りで大きなたき火を始めると、またグルムに
変身して中に入りました。
そして、グルムの声でこう言いました。
「これコボルド。朝になったぞ。その壷の蓋を開けて見よ」
コボルドが窓を見ると、外は確かに明るくなっていました。
そこで、コボルドはすっかりだまされて壷の蓋を開けてしまいました。
サザーンは小躍りしながら壷の中を覗き込みました。
ところが、蓋を早く開けたので、壷の中身は腐ってしまっいました。
サザーンは壷の中身が腐ってしまったのを見ると、グルムの怒りが怖くなり
ました。
そこで、サザーンは窓から飛び出して逃げてしまいました。
さて、それからしばらくして本物のグルムが帰ってきました。
グルムは壷の蓋が開いているのに驚き、コボルドの話を聞いてひどく怒りまし
た。
しかし、サザーンはすでに逃げていて、とてもグルムの力では捕まえられそう
にありませんでした。
そこで、コボルドに向かってこう言いました。
「もとはといえばお前が居眠りをしていたのがいけないのだ。これからお前は
夜に起きて昼に眠るがよい」
そして、壷といっしょにコボルドを窓から放り投げてしまいました。
この時から、コボルドは昼に寝て、
夜に活動するようになったということです
昔々、まだ神様が私たちと共にあった頃のお話。
＜地方の昔話より＞
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さらに、この時からコボルドは性格がひねくれて
モンスターになってしまったと。
そんな感じかな？
それでは。
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BOBU <Takuaki Ichikawa> ICQ:19775719
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