[KATARIBE 11381] [HA06]EP :盆の夜中の遊園地

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Date: Sun, 11 Oct 1998 23:01:52 +0900
From: ICHIKAWA Takuaki <bobu@din.or.jp>
Subject: [KATARIBE 11381] [HA06]EP :盆の夜中の遊園地
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199810111410.XAA22435@ms1.din.or.jp>
Posted: Sun, 11 Oct 1998 23:11:15 +0900
X-Mail-Count: 11381

こんにちは。BOBUです。

ずいぶん久しぶりなEPです。

EPの時期が思いっきりずれてますが、気にしないで下さい。
#このEPを思い付いた時は時期的にぴったりだったんです…

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EP:盆の夜中の遊園地
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盆。
死者と生者の交わる時である。
毎年この時期になると街を歩き回る霊の数が増える。

大抵は呼ばれた所へ行き、そして帰るのだが。
たまに呼ばれもしないのにやって来る輩もいる。

そして、現世でさまよう霊も古馴染みと再会したりするわけだ。

夜も遅くなった、吹利のとある遊園地の一角にて。
メリーゴーランドの前で線香を上げている佐久間の姿があった。
バイトが終わってから、一度も顔を出していなかったのが気になっていたので
ある。

30分ほどして、帰ろうか、と腰を上げた所で。

声	:「あ、佐久間の兄ちゃん」
佐久間	:「ん?」

振り向いた所に懐かしい顔が二つ。

佐久間	:「久しぶり。里帰りしてたんだ」
男の子	:「うん。まぁね」
佐久間	:「二人とも元気そうだな。…にしてもなんでここに?」
ショウ	:「だってショウちゃんが、ここも見にきたいって言うからさ」
男の子	:「なんだよ、お前だってここに来たいって言ってたじゃないか」
佐久間	:「はは、まぁどっちでもいいさ」
ショウ	:「ほんとはね、何だか呼ばれたような気がしたんだ」
男の子	:「兄ちゃん、僕達の事呼んだんだろ」
佐久間	:「うーん…、まぁそんなもんかなぁ」

並んで腰掛ける三人。

男の子	:「兄ちゃんたちは元気?」
佐久間	:「俺は元気だけど、あの少年達はどうかな?」
ショウ	:「知らないの?」
佐久間	:「うん、考えてみれば最近はぜんぜん会ってないなぁ」
男の子	:「ふぅん、じゃあよろしくって言っておいてよ」
佐久間	:「ああ、伝えておく」

ぼーん、ぼーん、ぼーん…
十二時を知らせる鐘が鳴る。

男の子	:「あ、もうそろそろ帰らなきゃ」
佐久間	:「もうか?」
ショウ	:「うん、ほんとはもっといたいけど」
佐久間	:「まぁ、しょうがないな。ま、又そのうち会える事もあるだろ」
男の子	:「うん、じゃあ」
ショウ	:「また来年会おうね!」
佐久間	:「ああ、また来年な」
ショウ	:「うん、忘れないでよ。」
佐久間	:「大丈夫だよ…多分な」
男の子	:「たぶん、じゃ駄目だよ」
佐久間	:「はは、わかったよ」
ショウ	:「ほんとに?」
佐久間	:「ああ、ほんとだ」
ショウ	:「じゃ、指切りしよっ」
佐久間	:「あぁ、いいぞ」
佐久間&ショウ
	:「ゆーびきーりげーんまーんうーそつーいたーらはーりせー
	:んぼーんのーますっ!」

ショウ	:「じゃ、またね!」
男の子	:「ばいばーい」
佐久間	:「おー、また来年なぁ!」

そして。

佐久間	:「…あいつらが来たのってやっぱこれが原因かな?」

目をやった、そこには線香の灰の山。


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それでは。
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BOBU <Takuaki Ichikawa>
E-Mail: bobu@din.or.jp  <<<アドレスが変わりました!
ICQ:19775719
HOMEPAGE:現在移行作業中…
    

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