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Date: Sat, 29 Aug 1998 00:40:59 +0900
From: poetlabo@cap.bekkoame.or.jp (T.Nagare)
Subject: [KATARIBE 11204] Re: [HA] ダークハンター
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199808281545.AAA19561@soda3.bekkoame.ne.jp>
Posted: Sat, 29 Aug 1998 00:45:58 +0900 (JST)
X-Mail-Count: 11204
流@不可知論者です。
やれやれ、みんな自分が正しいと信じておるのかね？
イザヤに倣えば「人間の正義は汚れた下着」に過ぎないものだし、
ラートブルフ流に言えば「正義などというものは価値観の反映に過ぎず、信仰の問題
であって科学の答えるべき問題ではない」。
つまり、社会的正義なるものに一般解は存在し得ない。法というものは我々の生活習
慣に従って作っていくもの、状況に応じて作り直されるべきものであって、他人から
プレゼントしてもらうものではないよ。
以下は、僕の個人的な提案として読んでください。
> 中央官庁の連中の有能さをなめちゃいけない。君らのキャラクター
> なんかの能力では、正面切ってやりあったら能義英人の同輩一人＋
> 公権力であっっっさり犯罪者になるだけの法律を<b>速攻作ってく
> れます</b>。
お待ちなさい。近代民主主義の国にあって法律を作るのは、あくまでも議会であって
、官僚ではないぞ。
なるほど彼等は議案を作り予算を組んで説明までやらされますが、官僚に立法権があ
るわけではないことぐらいおわかりでしょう。今日の日本では議員が仕事をしないか
ら、たまたま代わりにやらされているだけの話。
どんなに優れた提案でも、議会で否決されれば使えないし、愚劣で危険な提案であっ
ても議会を通りさえすれば施行されることになります。賭けてもいいが、もし狭間日
本が全体国家であったとしても、議会は存在することでしょう。
僕自身議案を作る仕事もするが、必要なのは議員の了解を得ることであって、犯罪の
種類を増やすことではありません。今までになかった規制をかけるのなら、議員が納
得するような目的を掲げ、必要と考えられる業務を挙げ、それに従って予算を組み、
利害関係者に話をつけておき、無事に法案と予算が成立したら関係省庁に通知して人
員配置させる… といった地道な作業が必要です。それほど簡単な仕事ではない（外
から見ると誰にでもできそうに見えるだろうけどね）。
で、実務的にダークハンター資格免許制度なるものを考えて見ると、これはとても議
員の了解を得られそうにはありません。なぜなら、
> 表向き現代日本と同じならば、オカルト関係の法制度が公に整備されて
> いないんじゃないかと思うんです。
> 公にしちゃったら、一般人にオカルト事象は実在するよって、国が
> 公言しちゃうことになるわけですから。
> 元々の狭間の世界観が、情報が氾濫してるんで、オカルト関係の情報も
> ほんとかどうか分からない世界ってことですから。
>
> ＃公言しちゃうと、本当になってしまう(^^;
という指摘にあるとおり、存在しないはずの事象に対して規制の網をかけようとする
わけだから、とてもまともな説明はできない。狩猟許可と違って実体がないのに、何
を狩るんだって？
無理やりごまかそうとしても、「わかるように言え」と突っ込まれるだけでしょう。
僕なら、他の方法を考えますね。
そもそも法制度というものは必要に応じて作るものであって、不必要と看做されたも
のは予算から何から削られることになります。狭間日本に除霊許可制があるとかない
とかいうのは無意味。
必要なら、我々の手で作ればいいのです。
プレイヤー諸君、ここで安心してはいけないぞ。『義務なきところに権利なし』とい
うわけで、免許すら持たないのに銃器・刀剣の類を気軽に振り回せるはずがないのです。
終戦直後から昭和30年代にかけての日本では、銃刀法の運用はかなりいい加減だった
ようですが、いくつかの傷害事件が起こって取り締まりが厳しくなったらしい。お土
産としてピストルなんぞをもらっていた関取り衆が、夜中に両国橋からそいつを投げ
捨てて警察が隅田川を漁ったとか、刀を所持していた漫画家が逮捕されて「エイトマ
ン逮捕さる！」と書き立てられたとかいう話があります。さすがの僕も、リアルタイ
ムで見た覚えはないが。
安保反対の折には、活動家に火器を持たせると危ないというような噂を公安が撒いて
いたらしいし。というか、今でもアパートに時折、そんな回覧が回ってくるな。
狭間日本でそんな物騒な事件は起きなかった… とは考えにくいので、警察のみなら
ず一般市民の目もそれなりに厳しかろうとは思います。
となると、刀剣を使う退魔稼業の連中のためには、何か抜け穴がなくてはならん。
日本の議員が避けたがるものが3つあります。外圧、皇居、差別問題。ほんとはまと
めて「宗教」と書きたいところだが、理解されないかと思うので。この3つは微妙に
絡み合っています。
「外圧」は、鎖国の影響なのか日本人が「異なる存在」に対等の姿勢を取れないこと
に起因します。日本の人がアジアに行くと上から見下ろしますが、欧米に行くと下か
ら見上げます。無道千影のケースはこれでしょう。時間のない豪邸に住む彼女の両親
は単なる資産家ではないはずで、外交特権を持っているのかも知れません。また、使
っている道具が信仰のために必要ということにでもなれば、教師など周囲の人間は関
わりを避けるでしょう。むしろ疑問となるのは、なぜ彼女が狭間の学校に通い狭間の
風習に従って暮らしているか、でしょうね。
「皇居」は普段意識されないようだが、それだけに根深いものがある。「文書のA判
化」をせっせと進めている官僚も、日付を入れるときには元号を使うのがあたりまえ
だと思っているからな。宮内庁自体には大した権限はなくても、宮内庁が反対してい
るために発掘調査ができない『〜天皇陵』というのがいくつもあるし。如月尊につい
ては、皇室に近い存在としておけば官憲は手出しができないという事態も有り得るか
も。あるいは昔、中世の頃にか、退魔師の一族が皇室と交した契約が今日なお有効と
されているとか。
＃漣丸は刀剣である前に呪具だよな？
でもまあ、特権を持つということは「常人とは違う」存在となるわけで、これを意識
するなら子供の頃から孤独を味わう宿命ではないかと。ことに日本においては、目立
つ子ほどいじめられるし、親や教師は「他人と違う」「自分の意見を言う」子を嫌が
るものだし。
＃だから似たような境遇の者が慰め合っている、という見方もありか。
魔術幻燈 ☆★☆ 流琢弥/萩原學/硯研一郎
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