[KATARIBE 11180] Re: HA06:EP: 「棚卸し」

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Date: Fri, 28 Aug 1998 00:56:29 +0900
From: poetlabo@cap.bekkoame.or.jp (T.Nagare)
Subject: [KATARIBE 11180] Re: HA06:EP: 「棚卸し」
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199808271600.BAA24529@soda2.bekkoame.ne.jp>
Posted: Fri, 28 Aug 1998 01:00:34 +0900 (JST)
X-Mail-Count: 11180

流です。えー、今頃になって、の追加書き込みです。
どこに入ろうかと悩んだ末、前日に伏線張っておくことにしました。

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EP『棚卸し』
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棚卸し前日、ベーカリーにて
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        からんころん

 湊川観楠      :「いらっしゃい」
 練原努        :(あたりを見回すが、とりあえず席に着く)
 狭淵美樹      :(本を読んでいる)
 観楠          :「何にしましょう?」
 練原          :(しばし考え)「紅… いや、コーヒーを」
 観楠          :「コーヒーですね、お待ちください」
 練原          :「それから、ちょっとお尋ねしたいとですが、よろしいで
                :しょうか?」
 観楠          :(振り向いて)「はあ、何でしょう?」
 練原          :「このへんに変わった本屋… というか、専門書なんかを
                :置いてある書店がありますか?」
 観楠          :「ああ、本のことなら美樹さんが詳しいですよ。…美樹さ
                :ん?」
 美樹          :(本を読んでいる)
 観楠          :「あのー、美樹さん?」
 美樹          :(本を読んでいる)
 観楠          :(カップを取り上げ)「お代わりは?」
 美樹          :(そのままの姿勢で)「はい、お願いします」
 観楠          :「美樹さん、こちらの方が本をお探しだそうですよ」
                :(と言って練原を指す)
 美樹          :(本を握ったまま向き直り)
                :「あ、はじめまして。狭淵美樹と申します」
 練原          :「はじめまして、練原努(ねるばる・つとむ)て言います。
                :詩やら書きよるんで、資料になるような本が欲しいのだが、
                :ちょっと突っ込んだ品揃えの本屋さんなんてご存じなかろ
                :うか?」
 観楠          :(カウンターに入る)
 美樹          :(珍しい生き物を見るように練原を観察しながら)
                :「ほう、詩人の方ですか?生きている詩人さんとお会いす
                :るのは、初めてですねえ」
 練原          :「あはは、確かに珍しいやろうね。実際、滅亡に瀕してい
                :るとかいう話もあるしね。それでも、現代詩の人だけでも
                :数百人は残っとるはずなんやが」
 美樹          :「数百人?結構いらっしゃるものですね… でも、新刊を
                :見たことはないような…」
 練原          :「いやあ、マーケットが狭いけんねえ。詩の本ちうたら、
                :二百部から五百部くらいしか刷らんとですよ。だから、限
                :られた書店にしか置いてない」
 美樹          :「ああ、本をお探しでしたね、失礼しました。やっぱり詩
                :の本ですか?」
 練原          :「ほかにもいろいろ、面白いものがあればね。カオスの話
                :とか」
 美樹          :「この横にアニメイト吹利があるし、駅の近くには角田書
                :店があるのですが、瑞鶴というのもありますよ」
 練原          :「ずいかく?」
 美樹          :「奇瑞の瑞に鶴亀の鶴と書くのです」
 観楠          :(コーヒーを持ってきて)「ああ、花澄さんのいらっしゃ
                :るところですね」(カップを置く)
 美樹          :「そうです、花澄さんのお兄さんの店らしいですね」
 練原          :「かすみさん?」
 観楠          :(練原に向かって営業スマイル)「瑞鶴の店員さんなんで
                :すけど、よくこちらにいらっしゃるのですよ。よくぬいぐ
                :るみをお作りになって、ここの常連さんに下さったりなさっ
                :てます。きれいな方ですよ」
 練原          :「ほう、それはお会いしてみたいもんや。…瑞鶴ねえ、名
                :前からして洒落とるのう。明日行ってみるか…どこらへん
                :にありますか?」
 美樹          :「あ、でも明日は開いてないと思いますよ。実は俺、明日
                :そこの棚卸しを手伝うことになってるんで。よかったらそ
                :の次の日にでも、ご案内しましょうか?」
 練原          :「おお、そいつは助かります。ぜひ、よろしく」

        からんころん

 かなみ        :「父様、ただいま!」
 観楠          :(笑顔)「かなみちゃん、おかえり」
 練原          :「おや、お子さんでしたか…」
                :(傍白)見た目より年くってるのかな、この人は…
 観楠          :「あ、はい。というか、違うんだけど…」
                :(傍白)困ったもんだ、なんて説明したもんだか…
 練原          :「奥さんは、お店にはいらっしゃらないので?」
 観楠          :「え?いえ、奥さんは、おりませんが…」(目を白黒)
 練原          :「え?あ、これは失礼しました…」(勘違いしている)
 美樹          :「大丈夫ですよ。店長は、近く結婚なさるそうですか
                :ら」(勘違いしている)
 観楠          :「は?そ、そんな予定はありませんが…」(滝汗)
 美樹          :「あれ?素子さんとの話が進んでいるようにお聞きしたの
                :ですが、その後中止にでもなったのですか?」
 観楠          :(蒼白)「い、いえ、別に話が進んでいるわけでは…」
                :(厨房に引っ込む)
 練原          :(傍白)ううむ、おもしろい。これはおもしろい!
                :「素子さんって、誰?」
 美樹          :「以前、ここでアルバイトしてた女の子ですけどね、店長
                :と天下公認で付き合ってらしたはずなんですが」
 練原          :「ふうん、なんかあったようやねえ」(ほくそ笑む)
                :「おーい、店長さん。そろそろ帰るけん、会計お願い」
 観楠          :(あたふたと出てきて)「あ、ありがとうございます」
 練原          :「思うんやけどねえ、自分の持っとる世界をうまい具合に
                :人に伝えるのって、むちゃくちゃ難しいね」
 観楠          :「は?」(点目)
 練原          :「思うとることをそのまんま相手にぶっつけて、それで喧
                :嘩になることもあるしのう」
 観楠          :「……あのー」(明細を差し出す)
 練原          :「あ、すまんすまん、今のは独り言や。あ、これだけ?ん
                :じゃ、これで」(支払いを済ませる)
                :「じゃ、美樹さん、明後日はよろしく。なら、そげなふう
                :で」(席を立つ)
 美樹          :「こちらこそ、よろしく」
 観楠          :「ありがとうございました…」
                :(カウンターに座り込んで傍白)ふう。何だったんだ、今
                :のは…
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吹利市街の地図を見ても瑞鶴の位置がわからんのだが、どこなんですかね?sfさん。
ベーカリーから、ということは駅前からは遠いのか?

しかし、たかが伏線張るだけなのに、なんでこんなに長くなるのだ。
他にもたくさんのゲストをお招きしたかったが、さらに長くなりそうなんでこれだけ
にしました。

魔術幻燈 ☆★☆ 流琢弥/萩原學/硯研一郎
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