[KATARIBE 11127] HA06: 「夢の海、夢の鯨」

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Mon, 24 Aug 1998 18:03:42 +0900
From: "E.N." <nakazono@ss.ffpri.affrc.go.jp>
Subject: [KATARIBE 11127] HA06: 「夢の海、夢の鯨」
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <9808240908.AA01424@150.26.109.137.ss.ffpri.affrc.go.jp>
In-Reply-To: <199808231752.CAA17001@ms7.niftyserve.or.jp>
Posted: Mon, 24 Aug 1998 18:08:37 +0900
X-Mail-Count: 11127

             こんにちは、いー・あーるです。
           なおなみさん、K’さん、皆さん、こんにちは。

何となくほのぼのとした話を書いてみたくなりましたので。
……栢々君とせんちょさん、突然お借りします(笑)。

***********************************************
 EP  「夢の海、夢の鯨」
========================

  ぷこぷこぷこ。
  気がつくと、譲羽は小さなボートに乗り込んで、ふこふこ浮かんでいた。
  貝殻の白に似た色の、本当に小さなボート。

  海の色は、千々に変わる。
  薔薇色、若草色、青碧。
  
  譲羽    :「……ぢ(あれ?)」

  白いボートに優しい色の波がぶつかって、ちゃぷちゃぷと音を立てる。
  空の色も、ふんわりと柔らかい。

  譲羽    :「………ぢい(首をひねる)」

  去年、みんなと一緒に行った海は、青い色だった。
  そして、もっとどんどん波がやってきた。

  ここは……どこだろう。

  譲羽    :「……ぢぃ……(かすみぃ……)」

  何となく心細くなって、ついそう呟いた木霊の視界に。

  譲羽    :「ぢ?」
  SE    :ちゃぷちゃぷ☆

  何だか真っ白な、とても綺麗な白の………あれは何だろう?
  首をひねっている間に、その白いものはどんどんと近づいてきた。

  ??    :「きゅー……綺麗な夢の海にゃの」
  譲羽    :「??」
  ??    :「こんにちは、にゃの」
  譲羽    :「ぢいっ(こんにちはっ)」

  真っ白な、大きな……おさかな?

  譲羽    :『おさかなさん、なの?』
  ??    :「ちがうにょ。くじらにゃにょ」
  譲羽    :『くじらさん?』

  少し前に、瑞鶴店長のところのテレビで、そういうものを見たっけか。

  譲羽    :『くじらさんなの?ゆずはね、譲羽っていうんだよ』
  白鯨    :「栢々っていうにょ。譲羽はゆずちゃんにゃにょ?」
  譲羽    :『そうなの』

  水から出た部分はつやつやと白く光って。

  譲羽    :『栢々君、触ったら駄目?』
  栢々    :「いいにょ☆」

  ボートの縁にしっかりと掴まってから、そおっと手を伸ばす。

  SE    :なでなで☆
  栢々    :「くすぐったいにゃ☆」

  ざぷざぷ。
  小さなボートはゆらゆらと揺れた。

  譲羽    :「ぢいっ(蒼白)」
  栢々    :「あ、ごめんなにょ(あせあせ)」
  譲羽    :『だいじょぶだよ……でもゆず、水に溶けちゃうの』
  栢々    :「……きゅう……(しょんぼり)」
  譲羽    :『だいじょぶなのー(あせあせ)』

  慌てて振り回した手の先に。

  譲羽    :「ぢ?(おふね?)」
  栢々    :「きゅ?」

  譲羽のボートよりも格段に大きな船の先っぽに立ってこちらを指差している
 紺色の服の人と、その後ろで何やら動いている人。

  栢々    :「きゅー、せんちょにゃーっ!」
  譲羽    :『せんちょ?』

  くりっと栢々が向きを変える。
  紺色の服を着た人が怒鳴るのが聞こえた。

  せんちょ:「……見つけたぞ、ミニ白鯨っ!」
  栢々    :「ミニ………(怒っ)」

  そおっと譲羽のボートから離れ、充分距離を取った途端、

  栢々    :「いきゅにょーーっ!」
  せんちょ:「おおよし、我に秘密兵器ありっ!用意せよ船員!」
  船員    :「了解っ」

  ぴしっと敬礼した後、船員が取り出したものは。

  せんちょ:「かえるらんちゃーだぁっ」
  栢々    :「ぴきゃ(引きつりっ)」
  船員    :「目標、射程距離に入りましたっ」
  せんちょ:「ゆけえっ!」
  栢々    :「みゅあぁーーー!!」

  飛んできたやたらに大きなカエルと、悲鳴を上げてざんぶりと海の中に
 潜ってしまった栢々と。
  そしてひっくり返ってゆく、小さなボートの縁と………

  譲羽    :「ぢいいいいいっ」

  花澄    :「……ゆず?」
  譲羽    :「ぢいっ(ぴょこんっ)」
  花澄    :「どうしたの一体?」
  譲羽    :「……ぢ?」

  それは、いつもの風景。
  お布団代わりに使っている座布団と、枕元の羊ぬいのラヘル、
 そして心配そうにこちらを見ている花澄と。

  譲羽    :「ぢいっ(飛びつきっ)」
  花澄    :「……どうしたの?」
  譲羽    :「ぢいぢいぢいっ(栢々君にあったのっ。栢々君が海に入ったから
          :ゆずのおふねがひっくり返ったの)」
  花澄    :「……は?」
  譲羽    :「ぢい〜(ゆず、溶けるかと思ったの〜)」
  花澄    :「……はあ(要は夢見たのね)」

  苦笑を堪えつつ、花澄はしがみつく木霊の少女の背中を撫でた。

*******************************************************

  というわけで(笑)
  夢鯨、ゆずばーじょんです(爆)
  決して悪夢ではないんだけどなあ(笑)

  栢々君とせんちょの喋りかた、等、訂正修正、宜しくお願いします。

  ではでは(笑)

 
…………………………………………………………………………………………
  『Hitch your wagon to the Star in Heaven』
 
          いー・あーる(nakazono@ffpri.affrc.go.jp)
…………………………………………………………………………………………
    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage