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Date: Mon, 10 Aug 1998 12:01:29 +0900
From: "E.N." <nakazono@ss.ffpri.affrc.go.jp>
Subject: [KATARIBE 11047] HA07: 「用務員室にて」
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <9808100307.AA01406@150.26.109.137.ss.ffpri.affrc.go.jp>
In-Reply-To: <199807250715.QAA25259@trpg.net>
Posted: Mon, 10 Aug 1998 12:07:21 +0900
X-Mail-Count: 11047
こんにちは、いー・あーるです。
くすのきさん、みなさん、こんにちは。
以前、一行掲示板で西生駒の用務員室の話が出ていたことがあります。
それから連想して、こんなもの書いてしまいました。
一応、くすのきさんのチェック済みです。
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「用務員室にて」
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昼食時にお茶を取りに行くのが、日直の仕事の一つだという。
「1年9組のお茶、取りに来ました」
「はいはい」
大して年代の違わないように見える用務員さんが、やかんを差し出した。
褪せた金色の蓋には、大きく1−9とある。
差し出された手の向こうに。
「……あれ、何ですか?」
「はあ?……ああ、あれね、エアガン」
……何で用務員室にエアガンがあるかな。
「触ってみる?」
「……はあ」
差し出されたものは、いわゆる「鉄砲」の形に近い。
案外……軽い。
「撃てるんですか?」
「撃てるよ」
何となく。
手にとって……見てみる。
考える。
自分が傍若無人に振る舞える理由。
考える。
頭に実弾食らったら、癒せるのか、その時間もないのか。
意識せずとも自分の体は、受けた傷を癒してゆく。強引に外部から力を奪って。
考える。
……莫迦臭くなる。
ので、銃口をこめかみに当ててみる。
引き金を引こうとしたら。
「……って、あああああっ! な、なにやってんのっ!?」
銃を抑えられる。
……大袈裟な。
どうせ死ぬ筈もなかろうに。
出力端子は相手の両手、入力端子は……この場合こちらの手、だろうか。
抑えつけていた手が、するんと落ちる。その分こちらの手に力が篭る。
ぱし、と小さな音。
「……何でまた」
「痛いんですね」
放したこめかみから、ぽろりと弾が転がる。それを受け止めて、銃ごと
用務員さんに渡す。
「お茶、頂きます」
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……というわけで。
まあ、ほんの一瞬の話です。
あんまし考えてない奴です(笑)>兪児
では。
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『Hitch your wagon to the Star in Heaven』
いー・あーる(nakazono@ffpri.affrc.go.jp)
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