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Date: Thu, 6 Aug 1998 10:27:27 +0900
From: いー・あーる <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 11037] HA06:EP: 「ひばの森へ」
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199808060102.KAA05629@www.mahoroba.or.jp>
Posted: Thu, 6 Aug 1998 10:02:32 +0900
X-Mail-Count: 11037
98年08月06日:10時02分29秒
Sub:HA06:EP:「ひばの森へ」:
From:いー・あーる
こんにちは、いー・あーる@めるさば点検中 です。
みなさん、こんにちは。
#お久しぶりです。
起こったことはEPに使え。
………何か凄く、貧乏根性というか……
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EP 「ひばの森へ」
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某日夜半。
SE :てるるるっ
譲羽 :「ぢいっ?」
花澄 :「あ、貸してゆず」
飛びついた木霊をそっと受話器からどけて。
花澄 :「もしもし?」
:「やーっほ、花澄?」
花澄 :「……?!」
:「誰か分かる?」
花澄 :「………真帆?」
真帆 :「あったりー(笑)」
留学中に出会った友人。
威勢の良い、元気な……
真帆 :「ねえ、あんたひま?」
花澄 :「はい?」
真帆 :「ひまならさ、十日ほど付き合わない?」
花澄 :「あのね真帆、この歳になって十日もすいすい空くようなら
:それってなにか問題だと思うのよ」
大真面目に言った積りだったが、何がおかしいのか真帆はころころと笑った。
真帆 :「そーなんだけどね……いやだから、こちらも十日間のお仕事よ。
:ほら、フリーターだっけ?あの手のことしてるんなら日は開くでしょ?」
世の中のフリーターの方々を一気に敵に廻しかねない発言である。
花澄 :「それってフリーターの人に失礼と思うけど」
真帆 :「だーからね、こちらは世の中に満ちているフリーターを相手に
:したいんじゃないのよ。あんたどうなの」
暫し考える。
………大丈夫そうである。
花澄 :(それって……何か情けないなあ)
真帆 :「ほらほら、さっさと答えなさいよ」
花澄 :「その前に聞いておきたいわ。どんな仕事?」
真帆 :「青森のひばの森の中のプロット探し」
地上データとしては存在する、その地点をきちんと特定する為にGPSを
取りたいんだけど、とにかく人海戦術でいくしかないのよね、というのが
説明であった。
真帆 :「でさ、あんただったら一応の基礎知識に不足はないし、
:こちらも野郎ばっかだと面倒だしね」
花澄 :「そんなこと気にするようには思えなかったけど?」
真帆 :「ばっか。女一人だと部屋が一人部屋で、その分高いのっ」
説得力。
花澄 :「とにかく、店長に聞いてみないと分からないわ。
:いつまでに返事すればいい?」
真帆 :「明日か明後日。電話番号言っとこうか?」
花澄 :「うん」
何時の間にか譲羽が、紙と鉛筆を持って横にいる。
ぺこりと頭を下げて、それを受け取る。
花澄 :「あ、ねえ、真帆、行くとしたら……私、少し……あの、
:風変わりなもの連れてゆくかもしれないけど、いい?」
真帆 :「は?風変わり……鬼?小人?猫又?座敷わらし?」
花澄 :「…………何それ」
真帆 :「あんただもん(どきっぱり)」
一体、留学中の自分とは何だったのだろう、と、考え込む花澄であった。
真帆 :「その類じゃないの?」
花澄 :「……木霊」
真帆 :「おや、木霊連れて下北へ……いいけど、気を付けなさいね」
花澄 :「え?」
真帆 :「里心ついて、帰る時は一人、なんてなったって知らないから」
苦笑が、こぼれる。
花澄 :「……気をつけるわ」
真帆 :「まあ、いい返事待ってるから。久しぶりに一緒に飲みたいし」
花澄 :「何それ」
真帆 :「山の調査には飲み会が付き物。下北の酒も旨いわよ〜」
花澄 :「……真帆」
真帆 :「は?」
花澄 :「私を引っ張り出すには酒が一番、って考えてない?」
真帆 :「だってそうでしょ?」
暫し、沈黙。
真帆 :「花澄。今あんた『友情って何だろう』とか、考えてたでしょ」
花澄 :「……うん(きっぱり)」
真帆 :「だから、安くて旨い酒付きのおしごと、紹介してるんじゃない」
はあ、と、花澄は溜息をついた。
花澄 :「とにかく。明日また連絡するから」
真帆 :「はいはい……でも、出来れば行こうよね。ひばの森もいいよ」
花澄 :「……そうね」
ちん、と途切れた会話。
譲羽 :「ぢ(花澄、ひばの森に行くの?)」
花澄 :「ゆずは?」
譲羽 :「ぢ………(苦悩)」
さあお前のふるさとが見つかった、と、言われたらどうしよう、と。
考えているのが良く分かってしまって。
花澄 :「(苦笑)……一緒に行って、一緒に帰ってこようね」
譲羽 :「ぢいっ(嬉々)」
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……というわけで。
あざ無数になって帰ってまいりました(爆)
#倒木の隙間に足突っ込みまくった(汗)
ではでは。