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Date: Wed, 29 Jul 1998 22:22:49 +0900
From: ごんべ <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 11010] [KA] ハウスルール :HA16:1998/7/26
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199807291323.WAA06485@www.mahoroba.or.jp>
Posted: Wed, 29 Jul 1998 22:23:30 +0900
X-Mail-Count: 11010
98年07月29日:22時23分27秒
Sub:[KA] ハウスルール:HA16:1998/7/26:
From:ごんべ
こんにちは、ごんべです。
去る7月26日に狭間16のオフラインセッションを行いまして、その際に
作成・使用したハウスルールを下記にUPします。
次のメールに、このハウスルールを使ってみての感触を記します。
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語り部ハウスルール 1998/7/26
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語り部についての注意
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このゲーム「語り部」は、共同でストーリーを作り上げる場としてセッショ
ンをとらえ、プレイヤーの理想により近い形でPCが活躍できるようサポート
することを最前提においた、ロールプレイングシステムです。
戦術的な緻密さよりは、即興劇的な側面を持っていることに留意して下さい。
特徴の適用についての指針
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「語り部」では、技能を分割して得られる強制力にキャラクターが持つ「特
徴」を足して効果を促進したり低下させたりすることで、キャラクターの個性
による行動の結果の違いを表現しようとしています。
そのため、良さそうな特徴なら何でも強制力に足していい、と言うことには
ならないわけです。特徴の適用には、ある種の制限、または指針があります。
○意味が重複する技能には使えない
例えば「SWAT経験者:2」と言う特徴を持つキャラがいるとします。
彼(彼女)は、例えばハッタリをきかせる必要のあるシーンでは、この特徴
をきわめて有効に活用できるでしょう。
しかし「狙撃:11」と言う技能を使用したい場合、この「狙撃」技能はおそ
らくSWAT時代に培われた能力でしょうから、技能値が11であることにSWAT経験
は織り込み済みと思われます。技能の持つ背景と特徴の意味とが重複するわけ
です。よってこの場合は、特徴は使用せずに技能値だけで行動を解決するべき
でしょう。
ただし同じ「狙撃」技能の使用に当たっても、SWAT時代の体験が例えばター
ゲットの捕捉に対して(行動パターンを知っている等)有益な知識をもたらす
場合などには、この特徴はやはり効果を及ぼすでしょう。この場合は、特徴の
意味合いが技能に与える影響が、違う形で発揮されているからです。
他にもいくつかの指針がありますが、重要なものは上記の一点です。
一時的特徴
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キャラクターが生来もしくは日頃から持っている特徴とは別に、ある状況下
でキャラクターの行動の成否に影響を及ぼす要素を、一種の特徴として使いま
す。これをこのルールでは「一時的特徴」と呼び、キャラクターが日頃から持
つ特徴(便宜上「従来特徴」と呼びます)とは別に強制力ロールに加算します。
一時的特徴の例としては、負傷、一時的な感情、熟睡状態などその場に限っ
た特殊な条件、地形の影響、他のキャラクターとのコンビネーション(隊形、
陣形、合体技など)、などの状況によって左右される要素が挙げられます。
そのため「状況特徴」と呼ぶこともあります。
一時的特徴の導入による判定方法の変化は、以下の通りとなります。
・イニシアチブ決定値= 使用する技能値+従来特徴合計+一時的特徴合計
・最終目標値= 使用する技能値+従来特徴合計+一時的特徴合計−強制力
(従来特徴・一時的特徴とも、正負の特徴による相殺及びクライマックス
効果が考慮される。)
キャラクターごとに都合の違いが生じる(=数値が変わる)要素が、主に
一時的状況によって表現されます。敵味方の違いなどがこれに当たります。
対して、ごく普通の難易度ロールでは、状況の影響はGMが難易度に吸収し
て提示します。
限界強制力/固有強制力、必要難易度
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このハウスルールでは、全ての武器は「限界強制力」「固有強制力」「必要
難易度」の内のどれか、またはいくつかを持っています。
「限界強制力」は、その武器が発揮できる最大の強制力を指します。
テクニカルな側面・威力上の側面の両方に適用されます。これを超える強制
力で使用された場合、武器にひずみが生じます。(→武器破壊判定)
主に格闘戦用武器など、PCが威力を引き出す武器に存在します。
「固有強制力」は、その武器が発揮する威力を指します。
主に銃器等、保証された威力・一定の威力を持つものに適用されます。
命中に関する技能での判定に成功した後、自動的に威力として相手に与えら
れる強制力です。
「必要難易度」だけは、PCが判定する必要があるものです。
その武器の取り扱いに必要な難易度を指します。使用または命中の判定時に
これ以上の強制力で使用することをキャラクターに強制します。
使い手に技量を特に要求する武器、もしくは小さな強制力での発動があり得
ない武器に指定します。
いずれも、状況による一時的特徴は別途付加されるものとして構いません。
例:
木刀 : 限界強制力=6
44マグナム : 固有強制力=8、必要難易度=3
「聖なるチャクラム」: 限界強制力=10、必要難易度=5 (例)
武器破壊判定
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限界強制力を持つ武器は、全て「破壊耐久目標値」を持ちます。破壊耐久目
標値は全ての武器で初めは12です。
限界強制力を超える強制力で使用した場合、攻撃そのものはそのままの強制
力で有効となりますが、強制力を超えた分を「破壊耐久目標値」から引きます。
その計算後の値を難易度ロールの目標値として、ロールを行います。これを武
器破壊判定ロールと呼びます。
武器破壊判定ロールに失敗した武器は、攻撃で限界強制力を超えた分だけ限
界強制力が落ちてしまうか、その場で使えなくなります。成功した場合は、武
器の破壊耐久目標値を1下げて記録しておきます(限界強制力は変化しません)。
例:
PCは射撃技能10だが、44マグナムを使わざるを得なくなった。破壊力
は保証されているが反動が大きすぎて慣れないと扱えない44マグナムを撃
つために、彼は常に目標値7以下というぎりぎりの線で勝負しなければなら
なかった。
使用対象の作成
--------------
何らかの作成技能や召喚技能により作られた存在(アイテム、召喚魔獣等)
が、キャラクターの使用できる対象となることがあります。
この場合これらの存在は、作成者・召還者が作成・召喚に費やした強制力を、
キャラクターがこれらを使用したときに発揮できる強制力の最高値(=限界強
制力)とします。
またこれらの存在は日常的な存在からかけ離れるほど恒久的に使うことが出
来にくくなります(人間界にとどまれない、代償が必要、回数制限がある、等)。
どうしてもこれらを恒久化したい(または持続時間を延ばしたい)場合、作
成・召還の際の難易度は、それらが日常からかけ離れた分だけ一時的特徴とし
て高くなります。いかに日常からかけ離れているか、については、通常の特徴
値決定と同様にGMが数値を決定します。
緩和と緩和衝撃
--------------
無力化しきれなかった強制力の攻撃は、しばしば致命的なダメージにつなが
ります。
強制力を無力化しきれないと判断した場合、防御側は本来必要な強制力より
低い難易度に対して難易度ロールを行う「緩和」を選択することが出来ます。
緩和の難易度は、本来必要だった強制力から最大3下げることしか出来ません。
緩和に成功すると本来受けるはずだった致命的なダメージを無力化すること
ができますが、不利な一時的特徴を受けることになります。それを「緩和衝撃」
と言います。緩和衝撃は、原因となった攻撃を行った相手がその場から退出す
るか排除されるまで、継続して影響を与え続けます。
緩和衝撃の数値の計算式は下記の通りです。
緩和衝撃=自分が使用した難易度×難易度の下げ分÷10(端数切り上げ)
注※
緩和衝撃は一時的特徴であるため、従来特徴にさらに重ねて効果を及ぼすこ
とになります。さらに、自分が有利な一時的特徴を得ていたとしてもそれを打
ち消す方向に働いてしまいます。またむやみに難易度を下げて緩和を行っても、
本来負うはずだったダメージと同等のダメージを結局受けてしまう可能性もあ
ります。
結果として、より自分を不利な状況に追い込むことになりかねません。緩和
行動の選択には慎重な判断が必要です。
例:
狙撃で強制力10の銃弾を受けた(固有強制力+頭部に狙い撃ち、など)
PCは、運動能力技能11で回避を行わなければなりませんでした。普通なら
ば抵抗すら出来ず自動失敗となり、強制力10の破壊力によってPCは即死
するはずです。PCは強制力を2下げた緩和を宣言し、難易度8・目標値3
でロールします。
体力を4消費した後PCは回避に成功(とっさに後ろにのけ反って貫通を
避けた、など)しましたが、−2の不利な一時的特徴を受け続けることにな
りました。このままではなぶり殺しになるかもしれません……。
負傷による特徴値
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負傷の際に、一時的特徴としてマイナスに加算される特徴値は、およそ以下
の通りです。
負傷による一時的特徴の数値置換表:
打ち身、切傷、擦り傷 0〜1
指の骨折 1
出血多量 2
指の切断 2
腕・脚の骨折 2
腕・脚の切断 3
生命維持に必要な器官の喪失 4
長骨骨折 2
脊椎損傷 3
頭蓋骨陥没 3
頚椎骨折 3
大動脈切断 3+
複数の負傷を得た場合、最大の負傷の特徴値を用い、残りの負傷の数だけ
+1します(この修正は最大+3までとします)。
例1:
指を4本切り落とされて出血多量だ!
2+1*4>5
例2:
右腕切断、左脚骨折、左中指骨折。
3+1*2=5
多段階判定ハウスルール
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同じ難易度10の剣戟でも、ピンポイントに打ち下ろす場合ととにかく破壊
力で勝負する場合の2通りが考えられます。
このような場合、特にキャラの能力を必要とする判定として、判定にいくつ
かの段階を設け、強制力が表す対象を明確に規定します。これを多段階判定と
呼びます。
(運用検討中。)
このハウスルールでは、固有強制力を持つ武器に適用されます。
一時的特徴の恒久化
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GMまたはプレイヤーは、PCに与えられている一時的特徴を従来特徴に編
入することができます。これによりその特徴を、以後同じような状況が訪れる
たびに判定に組み込むことが可能になります。
一般的な例としては(愛情や憎悪のような)感情が、一時的なものから恒久
的なものに遷移することが挙げられます。
GMまたはプレイヤーは、一時的特徴が恒久化されるにふさわしいプレイや
エピソードを挿入することが望まれます。
霊力を抑える・隠す
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高い霊力・霊能力を持つキャラクターは、平時からそのパワーを周囲に発し
ています。この霊力を一時的に抑える・隠すことができるようにするのがこの
ハウスルールです。
霊力(または相当の技能)が技能値Aで表されるキャラクターが、技能値B
の霊力であるように振る舞う(=霊力の発散を抑える)ための難易度は、
「A−B」です。
この難易度に対し、さらに霊力(または該当する技能)で難易度ロールを行
います。(そのため通常はBがそのまま目標値となりますが、特徴の適用によ
り変化します。)
また、霊力を「隠す」ためには、霊力を「4」に抑えるためのロールとして
判定します。
霊力を抑えているキャラクターの本来の霊力を見破るためには、対象のキャ
ラクターが霊力を抑えるために行った難易度ロールの強制力と同じ強制力に対
して、霊視・霊感等で強制力ロールを行います。
霊力をごまかしていることさえわかればいい場合は、この強制力を元にして、
GMが適当に低くした難易度を提示します。
作成者情報
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語り部デザイナー : sf (古谷俊一) 氏
本ハウスルール作成者 : ごんべ (堀田拓司)
準拠ルール : ver 0.39 , 狭間16
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