[KATARIBE 10990] [HA06] ＥＰ：喧嘩

Date: Mon, 27 Jul 1998 01:37:45 +0900
From: "K.Edamatsu" <edamatsu@osk2.3web.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 10990] [HA06] ＥＰ：喧嘩
To: '語り部ＭＬ' <kataribe-ml@trpg.net>
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Posted: Mon, 27 Jul 1998 01:44:42 +0900
X-Mail-Count: 10990

どーも、くすのきですー(笑)

観楠と素子ちゃん。
喧嘩らしい喧嘩もなしでいままで来てる２人ですが
そんなままだと、ホントに幸せになれないぞ！
と、トラブってもらうことにしました（わははー）

時間としては、なおさんの浴衣ＥＰと同じ。
場所も、お祭り会場の片隅、ってことでお願い
します～～★

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（花火祭り会場）

ひぅううっ～～……ぱぁ、ん

立ち並ぶ屋台、行き交う浴衣。
商店会主催の花火祭り。
打ち上げ場所の河原から、少し離れた土手。
人気を避けるように、観楠と、素子。

観楠：「ここ、座ろっか」
素子：「そうね」

ばっ、ひぃぅううっ……ぱ・ぱ・ぱ・っ

観楠：「今年も、一緒に見る事ができて良かったね」
素子：「吹利の花火は、一番好きだから」
観楠：「……」
素子：「え、なに？」
観楠：「あー……いつものブレスレット、してないな
      ：って、思って」
素子：「あ、あれは。その……ちょっと」

ばひうっ………………ぱぱぱぱぱぱぱぱっ

観楠：「あ、いや。いいんだ。気にしないで」
素子：「……」
観楠：「ほんというと、今回は来てくれないかと思った」
素子：「……そんなこと……でも、どうして？」
観楠：「電話、なかなか繋がらないし、最近」
素子：「留守電、いれてるじゃない」
観楠：「そりゃ、そうなんだけど……直に声、聞きたい
      ：時ってあるじゃないか」
素子：「ん～～、タイミング、悪いのかなぁ」
観楠：「……そんなに忙しいの？」
素子：「いろいろと、あるんだ……今」
観楠：「……電話も出来ないくらいに、忙しいんだ」
素子：「え？」
観楠：「大学のことは良く分らないけど、声聞かせて
      ：くれるくらいの時間もないなんて」
素子：「あ、の……」
観楠：「……素子ちゃんは、それで寂しくないんだ……」
素子：「寂しい、って？」
観楠：「寂しいさ、決まってるじゃないか！」
素子：「……」
観楠：「前みたいに、いつも会えないんだ。だから、せめて
      ：声だけでも聞きたいって、思うじゃないか」
素子：「それは、仕方ないよ……」
観楠：「……素子ちゃん」
素子：「なに？」
観楠：「なんで、吹利にいないの？」

どんっっ…………

素子：「な、なんでって……」
観楠：「どうしても、神戸じゃなきゃだめだったの？」
素子：「だって、それは」
観楠：「なんで、吹利を離れなきゃいけなかったんだよ」

ぱぁっ……

素子：「私の夢、かなえるために神戸に行ったんじゃない」
観楠：「吹利でだって、出来る事じゃなかったのか？」
素子：「……勝手なこと言わないでよっ！」
観楠：「な……勝手なのはどっちだよ！」
素子：「私だって、私だって、ここにいたかったわよ。
      ：吹利にいたかった」
観楠：「じゃぁ、なんで今神戸なんかにいるんだよ！」
素子：「あなたも、笑って見送ってくれたじゃないの！」
観楠：「僕のせいだって言うのか！？」
素子：「４年間、長くても待ってるって言ったのは、誰よ！」
観楠：「だからって！」
素子：「電話くらい出来ないときだってあるわよっ！ 私は
      ：あなたの為だけにいるんじゃないんだからっ！」
観楠：「それ……なんだよ」
素子：「プライベートもあることぐらい、わかるでしょ！？」
観楠：「 …………誰か、ほかに……いるのか？」
素子：「そんなことなにも言ってないでしょ！」
観楠：「そうなのかよっ！」
素子：「いちいち怒鳴らないでっ！」
観楠：「怒鳴ってなんかないよっ！」
素子：「それが怒鳴ってるっていうのよっ！」
観楠：「彼女に別の男が出来て怒鳴らない奴がいるか！」
素子：「別の男って、なによ！そんな人いないって言ってる
      ：でしょ！」
観楠：「プライベートって、なんだよっ」
素子：「誰だって言いたくない事の一つや二つあって当然
      ：でしょ？  それともなに？  つきあってたらなにもかも
      ：相手にさらけだせって言うの？  あなたはどうなのよ？
      ：私になにもかも喋ったって、胸張って言えるっ？  私
      ：あなたの事で知らない事多いわよ、大事な事、なにも
      ：知らないわよっ！ あなた自分の事殆ど何も言わない
      ：じゃない。あの子の事も、そうよ！」
観楠：「あの子……こ、子供にヤキモチ焼くのか？」
素子：「あっきれた！それ、自意識過剰っていうの、自惚れよ！」
観楠：「自惚れてなんかいるもんか！」
素子：「私は、あなたとは別の人間なの。思い通りにならなくて
      ：当然でしょ？」
観楠：「でも、俺の彼女だ！」
素子：「……そんな人だとは、思わなかった」
観楠：「？？」
素子：「……あなたが、そんなにわがままで、独占欲の強い人だ
      ：なんて、思わなかった！」
観楠：「っ……」
素子：「私、帰るね」
観楠：｢……ま、待てって」

ぱぁん……っ

観楠：「てっ……」
素子：「……さよならっ」

顔の半分、熱いのと痛いのと。
お互いに一番見たくない顔みせあって。

観楠：「さよならって……」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
で、切る。

うむ。
やなヤローになってしまった(笑)＞観楠
今回、普段使う(泣)とか(笑)とかをいれずに書いて
みたんですが。
……最後の台詞で素子ちゃんの泣き顔を思い浮かべて
もらえたら、幸いです(笑)

くすのきでした
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