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Date: Wed, 22 Jul 1998 16:58:48 +0900
From: "E.N." <nakazono@ss.ffpri.affrc.go.jp>
Subject: [KATARIBE 10946] HA06:EP: 「鬼剣舞」
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <9807220801.AA01392@150.26.109.137.ss.ffpri.affrc.go.jp>
In-Reply-To: <9807211044.AA01388@150.26.109.137.ss.ffpri.affrc.go.jp>
Posted: Wed, 22 Jul 1998 17:01:43 +0900
X-Mail-Count: 10946
こんにちは、いー・あーるです。
皆さん、こんにちは。
己の時間を潰すものは、容赦なくEPに組み入れるっ。
……というわけで。
ユラさん召喚したり(笑)
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EP「鬼剣舞」
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面白い舞のビデオを見ませんか、とユラが誘った。
ユラ :「花澄さんなら好きかな、と思って」
花澄 :「踊り、そんなに詳しくないんですけど(苦笑)」
ユラ :「詳しくなくっていいんですよ(笑)」
ユラの部屋の、テレビの前の一番良い席に陣取って。
特製の香茶を飲みながら……
花澄 :(……これって、やっかまれそう(汗))
まあ、誰と誰に、かは、置くとして。
ユラ :「ええっと……これこれ」
花澄 :「何て言う舞なんですか?」
ユラ :「鬼剣舞、っていうんです」
花澄 :「おにけん……?」
ユラがそっと画面を示す。
そこに写る、舞……
いわゆる優美な舞、というのとは違う。
鬼の面を被り、厳つく装った舞手達が、足を踏みしめる。
朱と青の舞扇が、空を繰り返し薙ぐ。
ユラ :「剣舞は反閇に通じるんだそうです」
静かな、注釈。
納得して花澄は頷く。
白、青、赤、黒の鬼面には角がない。
鬼というより鬼神、明王に通ずる鬼。
地を鎮め、また奮い起こすように。
何時の間にか、香茶は冷え切っていた。
ユラ :「好きでしょ、花澄さん、こういう舞」
花澄 :「好きです(笑)」
ユラ :「起源は役の行者まで溯るんだそうですよ」
花澄 :「千三百年前?」
ユラ :「……と、言われてるんですけどね(笑)」
いわゆる念仏踊りの一つ、らしい。
ユラ :「だからこれ、口で拍子を取る時に『南無阿弥陀仏』って
:言うんです」
花澄 :「……鬼が?」
ユラ :「鬼神が」
南無は、合一の意。
何となく不思議な印象があった。
ユラ :「面白い、ですか?」
花澄 :「面白い」
顔を見合わせて、くすり、と笑う。
多分思い出しているのは、同じ旋律だ。
かごめかごめの………
護り損ねた椅子。それに良く似た椅子は、今もユラの部屋にある。
ユラ :「だから、花澄さんに見せたかったんです、この舞」
花澄 :「ありがとうございます」
だん、と、踏み鳴らす拍子が耳について。
故に……
呼んだのか、呼ばれたのか。
帰り道、ふと立ち止まった花澄の視線の先に。
花澄 :「……あ……」
細い四辻の真ん中で、足を踏み鳴らし、踊る鬼……
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という踊りを、只今習っております。
いや、本当に迫力のある踊りなんです。
……踊るべき人が踊れば(汗)
でわっ。
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『Hitch your wagon to the Star in Heaven』
いー・あーる(nakazono@ffpri.affrc.go.jp)
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