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Date: Tue, 7 Jul 1998 16:59:25 +0900
From: 田中 久美子<kumiko.tanaka@systemplaza.co.jp>
Subject: [KATARIBE 10622] [HA06]EP: 『口紅』
To: "'kataribe-ml@trpg.net'" <kataribe-ml@trpg.net>
Message-Id: <73B77F96C572D11180B70000E20C5924136209@tonen.co.jp>
Posted: Tue, 7 Jul 1998 17:01:27 +0900
X-Mail-Count: 10622
ども、久志です(^^)
新しい人が復活＆増えていいなぁ
ええと、ＥＰ（小説かも(^^;）『口紅』続きです。
『口紅』
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今日はついてなかった。
夕べ遅くまでインターネットをしすぎて夜更かししてしまったこと。朝、目覚まし
時計で目を
覚ましたのに、二度寝してしまったこと。おまけに定期がきれてたこと、しかも今日
の一時間目
は小テストだということ。ホームへ降り、改札へダッシュする。もう、同じ高校の制
服姿はない。
駅から学校までの道のり、そう長くない道を全速力で走る。上履きに履き替えるのも
もどかしく、
階段を駆け上がり、教室の近くにくると、そろりそろりと足音をひそめてドアに近づ
く。そっと
聞き耳を立ててみる、なにやら騒がしい。そろそろとドアを開けてみる、と。
「あれ、船ちゃん遅刻？」
「なんだ、船越ラッキーだな」
先生はいない、自習の文字が黒板に書かれている。肩の力が一気に抜けた。
「助かった…」
どさりと荷物を机に置き椅子に崩れおちる。
「しっかし、自習ってことは、成田せんせどうしたんだ？」
「そうそう、成田先生、今日の朝急病で倒れたんだよ」
クラス名物スナフキン愛好会三人組の一人、富良名裕也が身を乗り出してきた。
「急病？」
「そう！朝さあ、校門の前で僕たちと一緒に歩いてる時にいきなり倒れちゃったんだ
よ」
大きな黒い瞳をくりくりと動かして、身振り手振り力いっぱい説明している。脇か
ら他のクラ
スメイトも口を出す。
「そーそー、教室から外見てたらいきなし救急車来てさ、びびったぜ。そしたら成田
センセが倒
れたって副担の石川が血相変えて入ってきてさぁ、大騒ぎだったんだぜ」
「成田せんせがねぇ、鬼の霍乱かぁ？」
先生には悪いが、おかげでテストサボりにならなくてよかった。ほっと胸をなで下
ろす。
「あれ？船越」
「ん？」
背後に、人の良さそうな糸目の男、クラス委員をやっている本宮だ。いつも富良
名、佐古田ら
とつるんでるスナフキン愛好会の一人だ。クラスでもなかなかの常識人でもある。
「船越、背中…ついてるぞ」
「あー船ちゃんも口紅ついてる」
「え？」
慌ててシャツを引っ張り、言われたところを見てみる。白いシャツに唇のしわまで
くっきりと
つけられた口紅。白いシャツに鮮やかにつけられた深い赤。
「船ちゃん朝からお盛んだねー」
「うるせー」
いつ、つけられたんだろう。時間が遅かったから、電車もそう混んでいたわけでも
ないのに。
「船越、今なら自習だから平気だろ、トイレで落としてこいよ」
「ああ、サンキュ本宮。ちっきしょ、どこの誰だよ…」
やっぱり今日はついてない。べったりつけられた口紅、落ちるかどうか…
席を立つ、廊下に向かって…向かって…あれ？なんでみんな回ってるんだ？
「おい船越っ！」
本宮の鋭い声が遠くに聞こえる、同時にあがる女子の悲鳴、頬があたる冷たい、床
の感触、そ
して、暗転。
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いじょです。
被害者二人目です。もう一人二人だすかなぁ…と。
一人目は偶然、二人目も偶然だろう…だが、三人目は？
とりあえず、被害者を模索してます。…勝手に使って事後承諾するとか(爆)
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『罰がなければ、逃げる楽しみもない…』
田中久志（ひさやん） fwhs3290@mb.infoweb.or.jp
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