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Date: Thu, 18 Jun 1998 20:54:03 +0900
From: "E.N." <nakazono@ss.ffpri.affrc.go.jp>
Subject: [KATARIBE 10318] HA06:Story: 「手」
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <9806181151.AA01339@150.26.109.137.ss.ffpri.affrc.go.jp>
In-Reply-To: <9806171153.AA01337@150.26.109.137.ss.ffpri.affrc.go.jp>
Posted: Thu, 18 Jun 1998 20:51:16 +0900
X-Mail-Count: 10318
こんにちは、いー・あーるです。
皆さん、こんにちは。
先程、蘆会さんと不観樹さんと、一行で話していて、
そーか、本人に出来ないことを分身にやらせる、という手もあるのかあ、と……
#おひ(汗)
で、すこし書いてみた話、です。
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「手」
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ひっくり返して、しげしげと手を眺める。
開いて、握って。
振り払われても、絡みつくように伸びる手。
その動きが、目に灼きついて離れない。
振り払われても、絡みつくほどの執着。
そんな事が……出来るのだ、と。
そんな恐ろしいことを、易々とやってしまえるのだな、と……
前提条件:あなたは嫌われることはありません
そんな確信は、己の何処をとっても出て来はしない。
好かれることを前提とする傲慢さ、と、突き放して考えられれば、少しは楽なのか。
……そうではないことを、知っているというのに?
そうではない、あれは無邪気さだ、ごく単純に欲しいものを追い、突き放されれば
しょげ、しかし諦めない……
だから。
だから、あれほどに、澄んでいる。
どんなに諦められないと思っていても、確かに時間が風化させる、と、
既に知ってしまっている自分がいる。
風化してしまうのは申し訳ない、と、言えばそれは偽善だ。
風化してしまうものが、許せない自分がいるだけなのに。
卑怯
……嫌われたくないということは、畢竟、卑怯者の言い訳でしかない。
思考に抑えつけられる想いなど、所詮はその程度、と、見切るだけのもの。
故に、それは。
存在すら、切り捨てるべきもの。
見たくもないもの。
蓋を閉め、無かったことにしたいもの。
目を閉じて、花澄は一つ息を吐く。
そして、もう一度目を開いて視線を落とす。
手。
開いている手は、何だか間が抜けて哀しかった。
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………と言うわけで誤解ネタ(わははっ)
友人と、恋愛とじゃ、友人が負けるよなあ、というだけの話なんですけど。
IRCのシーンが、元になってます。
でわっ。
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『Hitch your wagon to the Star in Heaven』
いー・あーる(nakazono@ffpri.affrc.go.jp)
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