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Date: Mon, 15 Jun 1998 19:16:54 +0900
From: "E.N." <nakazono@ss.ffpri.affrc.go.jp>
Subject: [KATARIBE 10249] HA06:EP: 「お誕生日に一升瓶」
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <9806151014.AA01330@150.26.109.137.ss.ffpri.affrc.go.jp>
In-Reply-To: <199806150645.PAA22121@geocities.co.jp>
Posted: Mon, 15 Jun 1998 19:14:00 +0900
X-Mail-Count: 10249
こんにちは、いー・あーるです。
不観樹さん、蘆会さん、皆さん、こんにちは。
この前一行であがっていた、ユラさん誕生日の一波乱。
では、花澄側から見てみたEPです。
美樹さんが雨に濡れている時、では、ユラさんはどこにいたかというと。
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EP 「お誕生日に一升瓶」
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その日は、六月十五日。
グリーングラスの戸が開いて。
花澄 :「こんにちは」
ユラ :「あら、こんにちは(笑)何だかお久しぶりです」
花澄 :「本当に(笑)」
長い髪を後ろで一つに纏めた小柄な女性が、カウンターの向こうで笑っている。
花澄 :「ええっと、ユラさんの特別ブレンドお願いします」
ユラ :「っていうと」
花澄 :「眠気の醒める(苦笑)」
ユラ :「はいはい(笑)」
手際良くハーブを計り取り、調合するユラの手元から店全体へと、花澄は視線を
移す。
飴色の木の色が常にも増して艶めかしいのは、やはり連日の雨のせいだろうか。
花澄 :「そういえば、ユラさんの誕生日、もうそろそろ、でしたっけ?」
ユラ :「あ、嬉しいな、覚えてて下さったんですか?」
花澄 :「六月の十……七?八?」
ユラ :「十八日です。木曜日」
木曜日。
小首を傾げて、ちょっと思案してから。
花澄 :「もし、予定がないなら……夕方うちにご招待したいんですけど」
ユラ :「え?私?」
花澄 :「あ、でも誰か先約います……?」
ユラ :「いえ、いません……わぁ、行きます行きます(嬉々)」
花澄 :「あ、良かった(にこ)……じゃ、何か美味しいお酒、用意して
:おきますね」
ユラ :「はい……わぁ、楽しみ」
にこにこ笑うユラの笑顔のどこかに、疲れたような色があって。
お仕事、大丈夫ですか。
そう聞きかけて、言葉を飲み込む。
花澄 :「五時以降でしたら、私、家にいますから……いつでも来て下さいね」
ユラ :「はい」
花澄 :「じゃ、またその時……」
ぺこ、と一つお辞儀をして扉を開けて………
花澄 :「あ”」
ユラ :「あらら」
二人同時に声を上げて、思わず目を合わせる。
花澄 :「……(くすり)……また、忘れてました……お幾らですか?」
ユラ :「私も忘れてました(苦笑)」
にゃあ、と、黒猫のマヤが呆れたように鳴いた。
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と言うわけで。
美樹さんと訪雪さんの鼻先からユラさんをかっさらう花澄…………
…………(少々考え込むものは、あるらしい)
多分、本当に一晩飲んで、帰ってゆくのが明け方、かな?
ま、情報収集には長けた二人ですから、どちらかが気が付くんでしょう。
で……
美樹さん。恨むなら花澄を恨んで下さいねっ(結構真剣)
でわ。
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『Hitch your wagon to the Star in Heaven』
いー・あーる(nakazono@ffpri.affrc.go.jp)
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